日本の極選スポット 八丈島~まさかの大物出現!冬の魅力を探る八丈島の旅~

八丈島

2011年07月27日

photo&text:茂木みかほ(ダイブネット)

thanks:アミニスダイバース

夏の八丈島にはたくさんの人が訪れ、海に山に、さまざまなアクティビティを楽しみます。

そんなサマーシーズンはもちろんオススメですが、「人を気にせず、のんびり海を堪能したい!」となると、やはりオフシーズンが狙い目です。

そこで今回は、冬場の八丈を訪島しました。

現地に行くまでは気温、水温を懸念していたものの、そんな心配などどこかに吹き飛んでしまう感動がそこにはたくさんありました!

オフシーズンもまたオモシロイ、八丈島を紹介します。

 

八丈富士

八丈島はこんなところ

八丈島は東京から約287km、年間平均気温が18℃の常春の島です。

西に八丈富士、東に三原山を仰ぐ本島は深い緑に包まれ、南国の雰囲気が漂っています。

伊豆諸島では大島に次いで、2番目に大きい島で、青い海と空がいっぱいに広がる、とにかくスケールの大きい自然を感じられる場所です。

「八丈ブルー」と呼ばれる海

伊豆ブルーとも沖縄ブルーとも違う、濃い群青色の海。

それが初めて見た八丈ブルーの印象でした。

海中で何かがうごめいているような、独特の躍動感を感じさせます。

八丈島ではユウゼンをはじめとした伊豆諸島固有の生物や、火山性溶岩が固まってできた海中地形などを楽しむことができます。

黒潮の流れをダイレクトに受けるため、本当にいつ何が出るかわかりません。

大物が回遊してくると思えば、見たこともないようなきれいなウミウシに出会ったりもします。

静と動が入り混じる魅惑の海がダイバーを虜にします。

 

ダイバー

アクセス

●船で

東京・竹芝桟橋から東海汽船さるびあ丸が1日1便運行。

22時20分発、翌朝9時30分着。

基本的には底土港着ですが、海況によっては八重根港着となることもあります。

三宅島、御蔵島経由で所要時間は約11時間。

料金は、月により変わります。

※早期購入割引制度あり…利用日の14日前までに購入すると、通常期は20%、繁忙期は10%割引になります。

その他、団体割引、シルバー割引、学生割引もあり。

 

東海汽船

http://www.tokaikisen.co.jp/

●飛行機で

東京・羽田から全日空(ANA)が1日4便運航(直行便は3便)しています。

直行だと所要時間は50分と短時間。

ただ天候次第で着陸できず、羽田に戻ることがあるなど欠航率が高いのが難点です。

片道19,800円、往復運賃片道分12,700円で、その他割引もあります。

※料金は変動する可能性あり。

大島経由の場合、東邦航空のヘリコプター「東京愛らんどシャトル」が1日1便三宅島、御蔵島経由で八丈島まで運航しています。

 

ANA

http://www.ana.co.jp/

 

東邦航空株式会社

http://www.tohoair.co.jp/

■今回もぐった主な2ポイント

1、「八重根」でミラクル体験

島の西側に位置するダイビングポイント『八重根』では、生涯忘れられない体験をしました。

このときは潮流の関係で「ナズマド」を諦め、八重根に潜ることにした1本目。

マクロ狙いで潜った私は、ガイドの能戸さんと共に下方向に集中していました。

そんな中一緒に潜った友人が上方であたふた…。何かと思えば、指さす先にはまさかの巨大マンボウがいるではありませんか!

全長2.7mはあったでしょう。

自分の目を疑いました。

一瞬ジンベエザメと見間違うほど大きな存在に感じました。

でもそれがマンボウだとわかった瞬間、心臓がバクバクし始めどうしようもなくなりました。

写真に収めたいけど手が奮えてシャッターを切れず…。なにせこんな偶然にして、これほど巨大なマンボウに出会うなんて想像もしていなかったのですから。

そんなに運がよいほうでもない私は、この幸運な時をきっと最初にして最後だろうと思い、表現しがたい気持ちで堪能しました。

そしてすぐ手が届くところまで近づきました。

しかし当のマンボウはこちらの存在を気にもせず、ただポカ~ンと浮かんでいるだけでした。

少しすると眼球だけをくるりとコチラに向け、身を翻し去っていきました。

下腹部にはエボシガイのような付着物が無数に付いていました。

こんなに大きくなるまで、いろんな海を漂ってきたのでしょうか。

神々しくも、愛くるしい、なぜだか、ありがとうと言いたくなりました。

ちなみに、このポイントで数え切れないほど潜っているガイドの能戸さんでも、巨大マンボウに出会ったのは初めてのこととか。

というより、このポイントでマンボウに会えること自体極めてレアなことらしいです。

同じポイントに潜っても、海の表情は1度として同じことはありません。

何が起こるかわからない、これだから海は面白いですね。

 

マンボウ1

突如現れた巨大マンボウ

 

マンボウ2

お腹にエボシガイのようなものが付着していた

 

八重根はマクロ系も充実しています。

ヤリカタギの幼魚はこの辺では珍しいらしく、その他ウチワザメ、カミソリウオのペア、フリソデエビのペア、トゲチョウチョウウオ、レンテンヤッコなど多種見られました。

 

ヤリカタギ

サンゴの影に隠れていたヤリカタギ

ウチワザメ

独特な形をしたウチワザメ

カミソリウオ

仲良くペアでいたカミソリウオ

トゲチョウチョウウオ

紺碧の海に映えるトゲチョウチョウウオ

2、「乙千代ヶ浜」でユウゼンに出会う

乙千代ヶ浜(おっちょがはま)では、1年を通してユウゼンのペアが見られるといいます。

私が潜った時も期待通りペアで出現してくれました。

が、しかし写真には1匹しか残せませんでした…。

初めて見るユウゼンの姿には、うっとりするばかりでした。

その他エントリーしてすぐにアオウミガメに遭遇。

カラフルなウミウシ各種も見られました。

 

ユウゼン

日本固有種のユウゼン。きれいな模様に惹き付けられる

パイナップルウミウシ

まるでお菓子のようなパイナップルウミウシ

ハナミノカサゴ

優雅に泳ぐハナミノカサゴ

ミカドウミウシ

オレンジ色がきれいなミカドウミウシ

■アフターダイブの楽しみ

温泉パラダイス

島には7つの温泉があります。

ダイビング後のリラクゼーションとして、銭湯感覚で入れるのが嬉しいです。

水着のまま入れる温泉もあります。

今回利用した「ふれあいの湯」と「やすらぎの湯」は、源泉かけ流しで入浴料は大人300円。

まったり休むのにもってこいの温泉でした。

ただ18~20時くらいは地元の利用客で混雑している可能性があるので、注意が必要です。

また湯上りに飲むおいしい牛乳と、無料で利用できるマッサージチェアは格別です。

島の郷土料理を味わいました

島寿司

「キツネ(ハガツオ)」、メダイ、キンメダイ、岩海苔の4種のネタ。からしを付けて食べる、づけの伝統寿司は美味しい

ブド

『ブド』と呼ばれる海藻を使った家庭料理。磯の風味が味わえる

海亀料理

アシタバと一緒に煮込んだ海亀料理

■オフシーズンの醍醐味

快適な船旅

船は行き帰り、とにかく空いています。

今回予約したのは、平日発着の一番安い2等級クラスだったのですが、数えるほどの釣り人以外ほとんど乗船客はいませんでした。

こんなときは、迷惑のかからない程度で、席移動することも可能です。

船内は静かで、ゆっくりした時間の流れを楽しむのもなかなかのもの。

もし飛行機で行く場合は、「旅割」などを使える時期だとかなり格安で航空券が手に入ります。

詳しくはANAのホームページを参照してください。

プライベートビーチを堪能(シュノーケリング編)

12月半ばの平日だったせいか、島内に一般のダイバー客はほとんどいませんでした。

1日目は小雨が降っていたのもあり、様子見でシュノーケリングをすることになりました。

そこで今回お世話になったアミニスダイバースさんのお店にお邪魔(半ば強引で失礼しました)し、どの辺のポイントが良さそうかリサーチを開始しました。

すると、オーナーの祖父江さんが快くかつ丁寧にいくつかのポイントを教えてくれました。

その中で「タイドプールが面白い」の一言にひかれ、『乙千代ヶ浜』に行ってみることに。

おっちょがはま…ってこの名前、なんだか一度聞いたら忘れそうにないユニークな名前ですね。

くねくねした細道を抜けポイントに着くと、しかし人がいない。

これぞ「プライベート・ビ~チ!」とテンションが上がったところで、寒さを吹き飛ばす勢いでウエットに着替え、シュノーケリングを開始しました。

そこは、期待を裏切りませんでした。

とにかく見れば見るほど発見があり、ちょうど自分の体がすっぽり入るくらいの小さなタイドプールで、実にいろんな生きものに出会いました。

波がくるとギンユゴイの群れが入ってきて、潮がひくとイソギンポやウバウオたちが顔を覗かせました。

陽の光を浴びた彼らの体色はびっくりするほど鮮やかで、きらきら輝いていました。

元気なサンゴも多く見られました。

そんな中特に目を引かれたのが「ホソウバウオ」。

ムラサキウニに出たり入ったりする様子がどこか可笑しく、見ていて飽きませんでした。

浅場だとマクロ系が観察しやすいこともあり、同じタイドプールに半日以上留まって観察していました。

乙千代ヶ浜には、更衣室やいつでも利用可能なシャワー(冷水)、トイレや駐車場などが完備されているので大変便利でした。

ちなみに同行した友人は、度々出現するサザナミヤッコの幼魚に翻弄され、薄暗くなるまで戻ってきませんでした。

 

タイドプールを観察

乙千代ヶ浜。左側にあった小タイドプールを観察

ウミウシやギンポ類などが見られる

夏には海水浴場にもなるタイドプール。ウミウシやギンポ類などが見られる

参考までに…

寒がりな私ですが、少しの気合いで快適ダイブを行えました。

参考までに着用したものを紹介します。

5mmジャージのウエットスーツ(長袖ワンピ)+3mmのフードベスト

インナーは、半袖ラッシュガード+長袖ラッシュガード

薄いゴム手袋+グローブ

宿・レンタカーが格安

レンタカーに関してはオフシーズンであるこの時期、基本1日あたり3000~5000円(車種による)で借りられます。

島内の地形は起伏が大きいので、車があると非常に便利です。

また今回宿泊したのは、素泊まり3500円の民宿で、台所、お風呂、洗面所、洗濯場などが共有スペースになっていて、好きなときに利用できます。

今回はほぼ貸切り状態だったので、自分の家のごとく快適に過ごすことができました。

スーパーは22時くらいまで営業しているところがあるので、食材を買ってきて自炊するのも良いですよ。

最後に

今回初めて訪れた八丈島は、島内にゆる~い空気感が漂うとても心地良いところでした。

大自然や独特の文化に触れられたり、島民の方と気軽に会話できるところなどがなんとも楽しかったです。

「風」の表情もまた印象的でした。

強風時は雲の流れがものすごく速くて、さっきまで雨が降っていたのに、ぱっと晴れ間が現れてまた曇って…と、とにかく変化が速かったです。

目の前で刻々と移りゆく光景にただ圧倒されました。

晴れた日には青い空に白い雲が浮かびきれいなコントラストが生み出され、雨の日はシダ類がのびのび輝き、深い緑のにおいが立ちこめてきます。

まんまるな夕日が堕ちたと思ったら一番星が現れ、辺りが漆黒の闇に包まれて…。

そして気づくと空はたくさんの星で埋め尽くされます。

そんな日常的に繰り返される自然の営みの中に身を置くと、大きな安堵感で体中が満たされるような気がしました。

ゆっくり気の向くままに海を満喫できるのもオフシーズンならでは。

冬だけど、行ってみればそこにはアツイ何かが待っているはず。

次回は「ナズマド」や「底土」ダイブを求めて、八丈アゲインしたいと思います。

 

水平線上に沈みゆく夕日

水平線上に沈みゆく夕日

玉石垣と高床式住居跡

玉石垣と高床式住居跡

お世話になったダイビングサービス

アミニスダイバース

アミニスダイバース

今回はガイド歴25年以上というベテランオーナーの祖父江さんと、ウミウシなどのマクロ系ガイドに強い能戸さんにお世話になりました。

お客さんがいなくても常に潜っているというだけあり生態にかなり詳しく、私のわがままなニーズにもばっちり応えてくれました。

また、ガイドブックには載っていないおいしい小料理屋さんや、陸の絶景ポイントなど海以外のガイディングまでしていただきました。

 

アミニスダイバース

http://cleek.co.jp/amenes/

 

住所:東京都八丈島八丈町三根1504

TEL:04996-2-2085

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