日本の極選スポット 静岡県・三保「砂泥ダイブ」で豊かな海を堪能しよう

静岡県・三保

2011年8月31日
写真/依田和明(HP)
編集、文/大野幸隆(ダイブネット)
取材協力/ダイバーズプロアイアン(HP)

「秘めた美しさ」を探す。これが砂泥ダイブの醍醐味

「三保の松原」で有名な静岡県・三保。
細かい規制がないこのエリアには、サーファー、釣り人など海を愛する人々が多数集まってくる。
もちろん、その扉はダイバーに開かれており、同じように海を楽しむことができる。
目の前にそびえる富士山、脇には竿を振る釣り人。そんな光景を眺めながらエントリーするのがここ、三保なのである。

静岡県・三保
あいにく曇り空だったものの、目の前には雲の隙間から富士山が垣間見えた

さて、いよいよエントリー

そんな独特の景観は陸上ばかりでなく、水中にも続いている。
水深3mほどから急勾配に砂利の斜面が続き、20m付近から平らな砂地が一面に広がる。
この「砂地」がまるで泥のような砂泥質。
フィンで巻き上げようものなら辺一面の視界を奪うほどに舞い上がる。
そんな環境のどこが楽しいのか?疑問に思う人もいるに違いない。
しかし、この「独特の環境」だからこそ、ここにしか生息しない、他ではなかなかお目にかかれない生物達が集結しているのだ。

静岡県・三保
エントリーしてすぐに広がる砂利エリア
水深5mほどから急勾配になり砂泥エリアまで続いている

砂泥エリアに到達してまず目に入ってくるのは点在するソフトコーラル。
お花畑エリアと呼ばれるポイントに近づいていくにつれ、その密度はどんどん増してくる。
泥の中から直接、ニョキニョキと立ち上がるキサンゴやソフトコーラル。
ちょっとした岩には我こそわ!と言わんばかりのエダアザミの群生。
「泥」というイメージからは程遠い景観が広がっている。

三保のソフトコーラル
ユラユラとソフトコーラルがゆれる
お世辞にもいいとは言えない透明度の中、何だか輝いて見えた

三保,ソフトコーラル
今回ガイドをしてくれた現地サービス「ダイバーズプロ・アイアン」の鉄氏
このチェックしているキサンゴからも続々と生物が!

そのソフトコーラル達を見ていくと、イソバナカクレエビ、アズマケボリなどが彩りを加え、育ち盛りのベラやマダイの幼魚が乱舞する。
一箇所のソフトコーラルを凝視しているだけで、次から次へと新しい発見が生まれるまさに「宝探し」のようなダイビング。
それをほとんど移動することなく見るけることができる。

ウナギギンポ
ウナギギンポ。とぼけた顔が印象的

イソバナカクレエビ
イソバナカクレエビ。上から見てしまうとヤギと体色がほとんど同じため見つけることが困難

アズマケボリ
アズマケボリ。赤い水玉模様が入るオシャレな色合い

カサゴ
ソフトコーラルの根元にいたカサゴ
見る角度によって目がエメラルドグリーンに輝く

三保
ムラクモキヌヅツミ。全身を覆うように触手が付いている

三保
ムラクモコダマウサギ。奥にはもう一匹

さらに主役である周辺の砂泥エリア。
ここにも「三保ならでは」の生物が数多く見られる。
その中でも「アカタチ」の存在は外せない。
アカタチは水深80m?100mに住む深海性の魚。
ひょろっとタチウオのような体で体色が赤いことから「アカタチ」という名が付いている。
ここ三保では日本に生息する4種類のアカタチをすべて、ダイビングエリア内、水深20m前後で見ることができる。
逆を言えば、ある程度確実にアカタチを見るなら三保以外ないのである。
アカタチは、警戒心が強く普段は巣穴に隠れていることが多いので、じっくり観察するにはコツや経験が必要にはなるが、コロニー(一定の範囲で高密度に営巣していること)や乱舞など珍しい生態行動に出会うことも少なくない。
そんなアカタチの様々な表情を見るためにここ三保へ通ってしまうダイバーも数多いとか。

イッテンアカタチ
三保で見られる4種類のアカタチのうち、一番見られる確率が高いイッテンアカタチ
(写真・鉄多加志)

鮮やかなハナダイの乱舞を見に「沖堤」へ

多くのメディアで砂泥が目立つ形で語られているため行ったことがない人には「三保の海は泥地でマクロ」というイメージが付いてしまっているかもしれない。
それは三保を語る上で外すことのできないことなどだが、そればかりでないのが三保の魅力でもある。
三保の沖には堤防があり、その周囲には取り囲むようにゴロタが続いている。
このゴロタ周辺がハナダイや回遊魚が群れる格好のワイドポイントとなっている。
特にハナダイはキンギョハナダイ、アカオビハナダイ、サクラダイが「ぐっちゃり!」と集結。
富士山を見ながらエントリー、水中でサクラダイを堪能…まさに和の極みといったダイビングが楽しめる。

三保,沖堤
ネンブツダイ、ウツボ、サクラダイの共演
思わず外国人ダイバーを案内したくなる光景

アカオビハナダイ
妖艶に光るアカオビハナダイのオス

サクラダイ
サクラダイのオス

この日は他にもイサキ、カゴカキダイ、カマス、お馴染みネンブツダイなどあらゆる魚種が群れていた。
フォト派の方はついつい潜水時間が長くなってしまうことは間違いなし。
減圧には充分ご注意を!

カゴカキダイ
40匹ほどの群れで泳いでいたカゴカキダイ

イサキの群れ
10分に一度ぐらいの割合で目の前を駆け抜けていくイサキの群れ

安全停止は幼魚パラダイス

三保の海は最大でも23mほどと極端に深い海ではないものの、砂泥ダイブの醍醐味である「宝探し的ダイビング」を行なっているとついつい潜水時間が長くなってしまうこともしばしば。
安全停止はしっかりと行いたい。
しかし、安全停止エリアである水深2?5mの砂利エリアが幼魚の溜まり場になっており、これがまた面白い。
沖で群れをなして泳いでいたイサキやマダイ、カワハギなどの幼魚が安全停止でじっとしてるダイバーの目の前を取り囲んでくれる。
幼魚好きなフォト派ならはここで一本!なんてことも可能なのではないだろうか、と思ってしまうほど。
さらに冬期には深海魚も度々登場。
ミズウオやチョウセンバカマ(どちらも普段は200m前後に生息)やかつてはチョウチンアンコウの幼魚まで登場したこともあるとか。
季節によっても現れる生物がガラっと変わるこのエリア。
年間通じて潜ってみると目の前の富士山同様、「海中の四季」をじっくりの堪能できるのではないだろうか。

三保
この砂利の隙間にたくさんの幼魚達が潜んでいる

マダコ
マダコの子供が石の下に隠れていた

マダイ
マダイの幼魚。マダイは数が多く1cmサイズから50cm近い個体まで見られた

カワハギ
カワハギ三兄弟(姉妹?)

クツワハゼ
クツワハゼ。ハゼの仲間は砂利、砂泥、ゴロタとどこのエリアにも多くの種類を見ることができる

アフターダイブ

ランチはここがオススメ「鐘庵 三保総本店」

静岡県内に展開する「鐘庵(しょうあん)」の本店。
チェーン店、という予想をはるかに裏切ってくれる絶品のかき揚げがオススメ。
ボリューム満点でサクサク感と飽きのこない味。
かき揚蕎麦、うどんを頼むとかき揚げは別皿で出してくれるので、いつまでもサクサク感が味わえるのもうれしい。
またそれぞれに小サイズも設定させれているので違う丼を二つ、なんて注文も可能。
何度か通った方にはカレーうどんもオススメ。
絶妙なダシが絡み合った味に病みつきになる人が続出!

鐘庵(しょうあん)
http://www.shoan.co.jp/

鐘庵
現地サービスからは車で1分程度。この暖簾が目印

鐘庵
駿河湾、といったらやはり桜エビ。サクサクの食感がたまりません

三保を潜るならこのサービス

ダイバーズプロ・アイアン

1978年オープン以来、三保の海を探索し続けているサービス。
代表の鉄さん始め、三保の海を愛するスタッフがその魅力を丁寧にガイドしてくれる。
一見、怖そうなルックスもあるが講習、ガイドはもちろん高校や大学での講師もしているだけあって、非常に物腰柔らかい雰囲気。
女性ゲストなどは「実際に会ったら優しいんで安心しました」なんて印象を受ける方も多いそうだ。
海ばかりでなく近くを流れる興津川での鮎の産卵ウオッチングなど、他のサービスでは味わえないファンダイブも展開している。
生物、写真、自然が好きな人なら、自ずと話が盛り上がってしまうこと間違いなし。

アイアンからのお得情報

現在、アイアンでは「ディスカバー三保」キャンペーンを実施中。
今までアイアンをご利用になったことのある方が、三保で潜った事の無いお客さんをお連れになると、ゲストのタンク代がなんと1本分「無料!」。
期間は年内まで。

ダイバーズプロ・アイアン
TEL:054-334-0988
住所:静岡市清水区折戸2丁目12-18
http://group-iron.qp.tc/iron-top.html

アイアン
東京方面からは東名清水インター、名古屋方面からは静岡インターからどちらも30分程度

アイアン
左から佐塚さん、ガイドをしてくれた鉄さん、武内さん

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