
地球上で5000羽。
もしかするともっと少ないかもしれない…。
これは現存するカンムリウミスズメの数です。
みなさんは、この鳥のことをご存知でしょうか?
絶滅の恐れが非常に高く、日本近辺にしか生息しない海鳥です。
一度見たら忘れられない、黒と白の愛らしいルックスをしています。
繁殖期以外は洋上で暮らすため、遭遇する機会は少なく、多くの人には名前すら知られていません。
けれど、その5000羽足らずがいなくなってしまったら、本当に”絶滅”してしまうのです。
人間のせい?環境のせい…?とにかく今、私たちにできることをきちんと考えなければ。
カンムリウミスズメについてみなさんにもっと知ってもらいたく、今回はカンムリウミスズメの保護に取り組んでいる「日本野鳥の会」ご協力のもと、記事を作成いたしました。
日本野鳥の会では、近年の海洋における生物多様性の危機的な状況を背景に、そのシンボルとしてカンムリウミスズメの保護に取り組んでいます。
また、カンムリウミスズメはその生態がまだよく知られていないため、一般の方から広く目撃情報を募っています。

カンムリウミスズメ
日本近海にしか生息しない海鳥。
絶滅の可能性が極めて高く、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)にあげられる。
また国の天然記念物に指定。
我が国が保護しなければ絶滅する恐れがあり 、具体的な保護対策が急務だが、国や自治体等ではカンムリウミスズメを守る取り組みはほとんど行われていないのが現状。

カンムリウミスズメ
<英名>Japanese Murrelet
<学名>Synthliboramphus Wumizusume
ムクドリほどの大きさ(全長24cm)の海鳥。
冠羽と頬が黒く、後頭部は白で、白黒のはっきりした鳥です。
よく潜水し、水中を飛ぶように泳ぎます。
一生のうちのほとんどを海の上で過ごし、陸上に上がるのは、繁殖期のわずかな期間だけです。
(以上の文章は、日本野鳥の会HPより抜粋)
このうち6種類は北日本の亜寒帯を主な分布域としており、カンムリウミスズメだけが黒潮や対馬海流がある暖帯海域に生息しています。
知られている繁殖地の北限は、石川県の七ツ島、南限は伊豆諸島の鳥島です。
最大の繁殖地は宮崎県の枇椰島(びろうじま)で約3000羽と推定されています。
日本以外では韓国南部の島で繁殖が確認されており、日本周辺にしかいない鳥といえます。

カンムリウミスズメが繁殖する三宅島の大野原島(通称:三本岳)
カンムリウミスズメが減ってしまう理由
・釣り人が残したゴミやまき餌に誘因された、カラスやネズミ類による卵やヒナの捕食
・近年の釣りブームや海洋レジャーの拡大により、繁殖地に人が立ち入るようになった。
このため卵や雛が無造作に踏まれたり、撹乱によって親鳥が巣を放棄する
・この他、刺し網による混獲や油汚染による死亡例などが報告されている
繁殖地にドブネズミが入り込んだ福岡県小屋島では、群全体が壊滅的なダメージを受けました。
また以前は人が入り込まなかったような断崖絶壁に人が立ち入るようになったことで、彼らが安心して住める環境を壊してしまっている問題もあります。
しかし、減少の原因と思われるほとんどは釣り人をはじめとした人間の行動なのです。
一人一人が気をつけることで、カンムリウミスズメを取り巻く環境が改善される可能性は高いのです。
推定個体数は約4千羽、多くても約1万羽とされ、ウミスズメの仲間では今絶滅が最も心配されているカンムリウミスズメ。
繁殖地が離島や断崖絶壁で、調査の機会が天候に左右されやすいことや危険を伴うこと等から、保護に向けての具体的な対策や取り組みがまだ充分には進んでいないのが現状です。
そのため、みなさんからの情報というのが大変貴重なものとなってきます。
宮崎県の枇椰島のある門川町では、自治体としての保護活動と環境教育的な視点での活動が進められています。
一方で、伊豆諸島では、営巣環境が悪化し、以前のような大規模な営巣地は認められず、また、航路での観察頻度が減少していること等が報告されています。
日本野鳥の会でも1995年以降、三宅島・アカコッコ館のレンジャーを中心に、大野原島周辺での洋上分布調査を継続しています。
また、この鳥を見せることで地域に経済効果を生み出そうとモデルエコツアーを2006年から実施しています。

船に乗り、調査を行う
2010年4月には、カンムリウミスズメが伊豆諸島海域にどのくらい生息しているのかを調べるため、三宅島をはじめとした伊豆諸島北部の4島(三宅島、御蔵島、神津島、 新島)周辺及び伊豆半島の神子元島(みこもとじま)周辺海域で同時に5隻の調査船を使い、洋上における一斉調査を行ないました。
これにより、洋上で計441羽のカンムリウミスズメを確認することに成功。
海鳥の洋上における分布を複数海域で同時に調査するのは国内では大変珍しい試みで、カンムリウミスズメの調査としては初めてのことです。

双眼鏡で目視調査をするスタッフ
カンムリウミスズメが子育てのために伊豆諸島の無人島などに集まるのは、3~5月の間だけです。
それ以降は広い海のどこで暮らしているのか、ほとんど知られていません。
そこで一般の方から目撃情報を募り、カンムリウミスズメの生息海域がどのあたりにあるのかを調べています。
これまでに30件以上の情報が寄せられ、なかにはダイバーから「船で移動中に目撃した」との情報も寄せられています。
カンムリウミスズメを見かけたら、ぜひ日本野鳥の会へお知らせください。

(日本野鳥の会会誌『野鳥』2010年8月号より)
これまでの目撃情報はコチラ↓
http://www.wbsj.org/nature/kisyou/sw/report_form.html#new
目撃情報はコチラへ↓
https://www.wbsj.org/form/nature/sw/form.htmlM

カンムリウミスズメのポスター
上のステキなデザインのポスターは、絶滅の恐れがある「カンムリウミスズメ」の存在を知ってほしい、と日本野鳥の会が制作したものです。
巣立ち後、大海原に旅立っていくカンムリウムスズメの親子の様子を表現しています。
今、私たちが保護の手を差し伸べることができなかったら、消えてしまうかもしれない。
デザインにはそのようなメッセージが込められています。
日本野鳥の会では、カンムリウミスズメ保護に賛同された関係団体や施設にこの ポスターを提供、掲示してもらっており、今後も協力先を増やしていくとのこと。
デザインは、国際グラフィック連盟(AGI)会員の松井桂三さんが担当されました。
正直私は今までカンムリウミスズメのことをよく知りませんでした。
この鳥が日本近海にしか存在せず、本当に数が少ないことを改めて知り、なんとかしなくちゃ!と焦りを覚えました。
そして目撃情報を寄せる、など自分ができることはやっていこう!と思いました。
時々ダイビングで訪れる伊豆諸島も彼らの大事な繁殖地になっています。
これまで海鳥を真剣に観る事はあまりなかったのですが、これからは意識して探してみようと思います。
また身近な所では神奈川県や静岡県でも目撃されているので、普段から気をつけて探したいと思います。
カンムリウミスズメは、本当に本当に可愛い鳥です。
ダイバーや釣り人など、海に関わる方の中に「カンムリウミスズメを守ろう」という方が一人でも多くなってくれることを願っています。
財団法人
日本野鳥の会
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