水族館裏探訪 深海魚とクマノミを見にいこう 東海大学海洋科学博物館

東海大学海洋科学博物館

2012年3月28日
写真/依田和明
文章/茂木みかほ(ダイブネット)

静岡県・三保半島の先端にある東海大学海洋科学博物館

クマノミの飼育展示が有名ですが、日本一深い駿河湾に面していることから、深海生物の展示もまた充実しています。リュウグウノツカイやチョウチンアンコウなど人気の深海魚の標本をはじめ、これまでに見たことのない貴重な深海生物の展示を見ることができます。
今回は、2010年7月にオープンした深海コーナーを中心に、当館の魅力的な展示を紹介します。

まずは1階から~水槽の生きものをよく観察してみよう~

展示は大きく分けて、1階の水族館部門と、2階の科学博物館部門(マリンサイエンスホール)、機械水族館部門(メクアリウム)となっています。

入り口を入って最初にある「きらきら★ラグーン」は、サンゴ礁の海底に生きる生物80種を展示しています。水槽を見るだけでなく、トンネルに潜ったり、波を起こしたり、と知的好奇心をくすぐる工夫が各所で見られ、面白いです。

ウツボ水槽

子どもが楽しめる水槽。透明な筒の中に横たわるウツボを興味深く見る子どもたち

解説板

解説板は全部ひらがな。これなら子どもも読めてGOOD

共生水槽

テッポウエビとダテハゼの共生水槽。巣穴の中が見られるようになっていて面白い。
このときはエビもハゼも巣の奥まで引っ込んでしまっていた

タツノオトシゴの水槽

タツノオトシゴの水槽にトンネルがくり抜いてあり、その中に入って写真を撮れるようになっている。
子どもたちが喜んで写真を撮っているところ

「きらきら★ラグーン」を抜けると、突如どーんと現れる大水槽。

16本の鋼鉄の柱で支えられていて、全面ガラス張りの水槽としては世界でも最大級の深さを持ちます。シロワニやマダラエイ、ホシエイなど大きな魚が悠々と泳ぐ姿は見ていて飽きません。

よく見ると、大きなマダラエイにぴったり張り付いて泳ぐギンガメアジがいたり、マイペースにのんびり泳ぐマンボウがいたり。それぞれの生きものが思い思いに生活している姿が垣間みられ、実に面白いです。

海洋水槽

館内で一番大きな海洋水槽。大きさは、10m×10m×6m。
見る位置によってさまざまな海中景観を楽しめる

イチオシ!【駿河湾の深海生物】コーナー

最大深度2500mの駿河湾は、日本で最も深い湾として知られています。この湾の形状から駿河湾では深海生物が発見されることが多くなっています。

2010年7月にオープンした『駿河湾の深海生物』のコーナーでは、40年間に渡り収集された深海生物の標本を展示しています。美しく、不気味で、つい見入ってしまいます。

これだけの数の標本をきれいに展示するには、相当の苦労があったことでしょう。深海魚好きでもそうでなくても興味を持てるような、素晴らしい展示でした。

深海コーナー

未来的な空間。この生きものたちが深海で生きていることを想うと、ゾクゾクする。
まさに深海は神秘の世界

リュウグウノツカイのペア

リュウグウノツカイの液浸標本。1989年10月29日、由比町西倉沢の定置網で2尾同時にとれた、全長5.18mの雌と、4.85mの雄のペア

リュウグウノツカイ子ども

1990年12月15に三保半島内側で発見された、体長30cmほどのリュウグウノツカイ。
日本でこのような小さなリュウグウノツカイがとれたのは初めてのこと

ビワアンコウのメス

形が楽器の「びわ」に似ていることから名付けられたビワアンコウのメス

ビワアンコウのオス

ビワアンコウのオス。メスを見つけるとすかさず食い付き、やがてメスと一体化して、生殖機能以外は退化し、メスから栄養を供給してもらって一生を終えると言われている。なんとも驚異的!

シギウナギ

2010年1月8日、三保の海岸に打ち上げられたシギウナギを標本にしたもの。
それにしてもクチバシが鳥のように細長く、不思議な形をしている

シギウナギ

シギウナギの全形はこんな感じ

チョウチンアンコウ

深海魚としてはメジャーなチョウチンアンコウのメス。ビワアンコウと同じく、小さなオスはメスに寄生し一体化する

1階を順路通りに見学してくると、ガラス張りの広い部屋が目に入ってきます。

ここでは水槽の裏側や、海水を廬過する瀘過槽やポンプなど、普段あまり見ることができないバックヤードを見学できます。

また、貴重なクマノミの赤ちゃん飼育を見ることもできます。

クマノミの赤ちゃん

当館生まれのクマノミの赤ちゃん。パンライトに元気なクマノミがたくさん入っていてワクワク

赤ちゃん水槽の秘密

「赤ちゃん水槽の秘密」と題し、クマノミの赤ちゃん飼育に関する餌のことなどを説明している

餌の説明

その他、館内の飼育生物に与えている餌についても解説している。
大小さまざまな餌が並んでいて、中には意外な餌も

また「くまのみ水族館」のコーナーでは、18種類ものクマノミの仲間を見ることができます。

実は当館、日本で初めてカクレクマノミの育成に成功し、日本動物園水族館協会の繁殖賞を受賞した実力派の博物館なのです。

クラウンアネモネフィッシュ

当館で生まれ、育てられたクラウンアネモネフィッシュ。生まれてからまだ1~2年の若魚。かわいい~。
水槽の中にある空間に入り写真を撮ることもできる

次は2階へ~海のことを楽しく学ぼう~

2階のマリンサイエンスホールには、直接手を触れたり、実験装置を動かしたりして、楽しみながら海そのものを理解できるような展示が並んでいます。

海水の量

地球に存在する海水の量は、意外に少ない。改めて海の大切さに気付く展示

海の色

海の色が違うのはどうして?と思ったことがある人も多いでしょう。その答えがここに…

海藻に関する展示

意外と知られていない海藻に関する展示。海藻は色で分けると大きく3つに分類できることが説明されている

ピグミィシロナガスクジラ

ホール中央に展示されている、世界で唯一のピグミィシロナガスクジラの実物骨格標本。
これも超レアもの。ピグミィシロナガスクジラはシロナガスクジラほど大きくならないので「ピグミィ」の名が付いている。
骨の作りを見ると、クジラは哺乳類だけど、海に適応した体をしていることがわかる

メガマウスの剥製標本

世界で唯一のメガマウスの剥製標本。
これは2003年8月7日、御前崎沖で採集されたオスの個体で、全長4.2m、体重460kg

ガイド会の写真展

偶然にも「ガイド会」の写真展が行われていた。
当館を見学するつい前日にお世話になった、三保のダイビングショップ「ダイバーズプロアイアン」の鉄さんも「ガイド会」のメンバー

2012年3月8日に行った三保のダイビング取材リポートはコチラから。

ダイバーズプロアイアンの鉄さんにもご登場いただいています。

最後に

ずっと行ってみたかった東海大学海洋科学博物館。やっと行くことができました。
初めて見るところは、とにかくワクワクします。

見学してまず驚いたのは、解説板がすべてひらがな表記されていたこと。普通はカタカナで書かれていることが多いので、斬新でした。
でもひらがなにしている理由がすぐにわかりました。たまたま居合わせた幼稚園のお子さんたちが、声を出して魚の名前を一生懸命読んでいます。
子どもにも分かりやすい解説板って、素敵だなぁと思いました。

また個人的に興味が深かった深海生物の展示。これにもグッときました。
宇宙的なブルーの空間に、見たことも聞いたこともないたくさんの深海生物がズラリ。もう何時間でもここにいたい気分でした。

その他にも、津波実験水槽があったり、3Dハイビジョンシアターがあったりと、見どころ満載で、しっかり見ようとすると結構な時間を要しました。

近くには、多種多様な生物が見られることで有名な三保のダイビングスポットもあります。ぜひセットで遊びにいってみてくださいね。

東海大学海洋科学博物館

東海大学海洋科学博物館

入場料:大人(高校生以上)¥1,500、小人(4歳以上)¥750

開館時間:9:00~17:00(1月1日は10:00~16:00まで)

休館日:毎週火曜日(祝日の場合は営業)、年末(12月26日~31日)

※正月、春休み、ゴールデンウィーク期間、および7月、8月は除きます。

住所:〒424-8620 静岡県静岡市清水区三保 2389

電話:054-334-2385

URL:東海大学海洋科学博物館

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