連載「珍魚・変魚発見隊」第十回

珍魚・変魚発見隊

2016年11月25日

毎月一回 各隊員が綴る珍魚発見記

これは、珍魚との出会いを求め、海を駆け巡る魚マニア(発見隊)のストーリー。
幼魚から深海魚まで、彼らは見たこともない魚を求め、各地を飛び回る。
磯に漁港に、魚屋に……。魚の気配がある場所は、目を光らせて観察し、目ぼしい魚を見つければ、どこまでも追いかけてゆく。水の中でもなんのその。
今日もどこかで、誰かしら、珍魚と出会いに感涙する……。

そもそも”珍魚”とは何なのか?辞書には、「珍しい魚」、英語では「rare fish」とある。なかなかお目にかかれない魚、ということだろう。ここではさらに、隊員たちが発見した見た目が変わった魚「変魚」も含め、紹介しようと思う。
珍魚(変魚)探しは、隊員たちにとって、まさに宝探しのようなもの。出会えた時の感激は、言葉では言い尽くせない。

ところで珍魚や変魚、いったいどこに行けば会えるのか?実は、意外とその辺にいる。少なからず、隊員たちは、そういう場所をよく知っている。
何も深海まで行かなくても、ちょっと意識を傾けるだけで、その辺の海で、誰でも珍魚・変魚に会うことができるのだ。
ここに登場する隊員は、水族館の飼育係、岸壁採集家、磯観察のスペシャリストをはじめ、とにかく生きもの好きな人、海あそびを得意とする人たちだ。
水場があれば、すかざす覗き込む彼らはまた、”観魚人(うおノゾキスト)”と呼ばれることも。
彼らがこっそり体験しているディープな世界を覗いてみよう。(毎月15日掲載予定)

 

隊員10号:シュノーケラー・茂木みかほ

茂木

水があればどこへでも。ドライスーツを着て、地元群馬の渓流でヤマメや川虫を観察しているところ

 

こんにちは、こちらのサイトでコンテンツ企画などを担当している茂木です。今回は、私の気になる珍魚をご紹介させていただきます。
普段は、三浦半島の磯を中心にシュノーケリングや胴長を履いて生物観察を行っています。時には、地元(群馬県)の渓流や離島にも足を運びます。とにかく、水の中に棲む生きものが気になってしょうがなく、彼らに会いに行くのが生きがいのようになっています。
子どものころから、いろんな生きものにしゃべりかけたり、自然の中で一人気ままに遊ぶのが好きでした。端から見たら、孤独な人ですね、はい(笑)。
初めて就職したのがアクアマリンふくしまという水族館でした。そこで、念願の飼育係として働き始めた私は、より一層水棲生物に惹かれていきます。担当は、福島の川に棲む生物や熱帯アジアの水辺の動植物だったのですが、最も惹かれたコーナーは、オホーツク海の生物が展示されているコーナーでした。暇を見つけては、見たこともない生物にくぎ付けになっていました。中でもぐっときたのが、トクビレ科の魚。かっこいいんです!顔の形やヒレの形、すべてがツボでした。
そんな変わり種たくさんのオホーツク海のコーナーが少し前にリニューアルし、ますますパワーアップしたので、ここぞとばかりにご紹介させていただきます!
ダイバーのみなさんの中でも、小さな生物が好きな(マクロ派)な方、ブサカワ生物に萌える方に、特にオススメのコーナーです。思わず鼻息が荒くなってしまうかも……。私自身、本コーナーを見学中、わけのわからない奇声を何度か発してしまいました。そんなわけで、海に入らなくても見られる珍魚をご紹介します。
※生物写真は、すべてiphone6で撮影しています。

 

茂木

三浦半島のとある漁港にて。季節来遊魚のチョウチョウウオの仲間を見つけて奮闘中~

 

アクアマリンふくしまへ、珍魚を観にいこう

去る2016年4月21日、アクアマリンふくしまの「オホーツク海」コーナーがリニューアルし「親潮アイスボックス」が誕生しました。
これを機に、展示内容がオホーツク海の生き物から親潮の生き物展示へと一新、三陸や福島県沿岸の生き物も展示されるようになったのです。北の海の生き物のイメージといえば?地味な単色を思い浮かべる方も多いことでしょう。しかし、ここにはそんなイメージを覆すカラフルで個性的な生き物たちがたくさん。
氷をイメージしたキューブ型の水槽の中には、珍生物がズラリと並んでいます。足下の大型水槽にいるエビやカニも見逃せません。
撮りたくなる被写体が多すぎて、あたふたしちゃうかも(笑)。

 

親潮アイスボックス

ジュエリーボックスのような見た目の親潮アイスボックス。どこを見ても珍生物ばかり

 

アバチャン

生きたままの採集や飼育が難しいアバチャン(否:オバチャン)。当館では、平成25年11月に日本初の人工授精を成功させている。半透明のピンク色の体が特徴的

 

ホテイウオ

なんともユニークな顔つき!一度見たら忘れられないダイバーにも人気の魚、ホテイウオ。七福神の布袋様に似ているところから「布袋魚」と呼ばれるようになった。函館などでは「ゴッコ」と呼ばれ、鍋料理に珍重される

 

オオクチボヤ

深海生物ファンの間で大人気のオオクチボヤ。大きな口を開けて笑っているような見た目に親近感が湧く。大きさは10~20cmほど。展示している水族館は少なく、これまた貴重

 

ケムシカジカ

見た目も名前もユニークなケムシカジカ。口の周辺にフサフサした皮弁が多くあるのが特徴。解説版にはこんな感じで、レア度や生物の特徴、うんちくなどが書かれていて面白い

 

ウラナイカジカ

丸くてトゲトゲした頭が可愛いらしいウラナイカジカ。大きさは、全長5cmほどで小さい。北海道知床では水深20~30mで見られる

 

ボウズイカ

タコのようなイカ、ボウズイカ。北海道知床沖約500mのエビかごで採集された個体。丸みのあるシルエットが可愛らしい。食べると美味しい

 

モロトゲアカエビ

まるでアートのよう!しま模様がきれいなモロトゲアカエビ。北海道知床では、水深200~300mで確認されている。「シマエビ」と呼ばれ、味も格別

 

クマガイウオ

トクビレ科のクマガイウオ。アツモリウオと並んで、武将の名を冠したまるで鎧を着たような魚。大きな第一背びれがかっこいい

 

タマコンニャクウオ

2007年に北海道知床で確認された新種。世界でも当館のみでしか展示されていないタマコンニャクウオ。北海道のエビカゴ漁で採れたものを展示している。大きなオタマジャクシのような体つきにパッチリお目目が可愛らしい

 

ダイオウキジンエビ

こちらも世界初展示!体長25cmに達するダイオウキジンエビ。頭に他のキジンエビ属の種には無いトゲがあるのが特徴

 

いかがでしたか?初めてご覧になる生物もいたのではないでしょうか?実は、この他にもまだまだ珍しい生きものがたくさんいます。個人的に、このコーナーだけで一日潰せるような、胸熱スポットであります。実際に足を運んで、北の海の知られざる生き物たちの神秘に触れていただけたら嬉しいです。

 

筆者プロフィール

茂木

茂木 みかほ(もてき みかほ)

群馬県生まれ。逗子在住

幼少時代、山や川でいろんな生きものと触れ合って育ったため、生物が大好き。海なし県だったので、憧れの存在だった「海」の生きものに特に惹かれる。
大学卒業後、やっぱり海のことがやりたい!と思い、海洋系の専門学校に進学。そして、アクアマリンふくしまで飼育係として社会人スタート。その後、ダイビング雑誌の編集アシスタントを経て、横浜•八景島シーパラダイスでイベント企画などを担当。現在は、スキューバダイビング専門サイトのコンテンツ企画を中心に、逗子「黒門とびうおクラブ」のコーチ、水族館などで「ギョスプレ」イベント等を行っている。他に、海洋系専門学校の非常勤講師の経験をもつ。

 

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