連載「珍魚・変魚発見隊」第十一回

珍魚・変魚発見隊

2017年2月10日

毎月一回 各隊員が綴る珍魚発見記

これは、珍魚との出会いを求め、海を駆け巡る魚マニア(発見隊)のストーリー。
幼魚から深海魚まで、彼らは見たこともない魚を求め、各地を飛び回る。
磯に漁港に、魚屋に……。魚の気配がある場所は、目を光らせて観察し、目ぼしい魚を見つければ、どこまでも追いかけてゆく。水の中でもなんのその。
今日もどこかで、誰かしら、珍魚と出会いに感涙する……。

そもそも”珍魚”とは何なのか?辞書には、「珍しい魚」、英語では「rare fish」とある。なかなかお目にかかれない魚、ということだろう。ここではさらに、隊員たちが発見した見た目が変わった魚「変魚」も含め、紹介しようと思う。
珍魚(変魚)探しは、隊員たちにとって、まさに宝探しのようなもの。出会えた時の感激は、言葉では言い尽くせない。

ところで珍魚や変魚、いったいどこに行けば会えるのか?実は、意外とその辺にいる。少なからず、隊員たちは、そういう場所をよく知っている。
何も深海まで行かなくても、ちょっと意識を傾けるだけで、その辺の海で、誰でも珍魚・変魚に会うことができるのだ。
ここに登場する隊員は、水族館の飼育係、岸壁採集家、磯観察のスペシャリストをはじめ、とにかく生きもの好きな人、海あそびを得意とする人たちだ。
水場があれば、すかざす覗き込む彼らはまた、”観魚人(うおノゾキスト)”と呼ばれることも。
彼らがこっそり体験しているディープな世界を覗いてみよう。(毎月15日掲載予定)

 

隊員11号:磯採集家・饗場 空璃(あいば そらり)くん

はじめまして。中学1年の空璃(そらり)です。僕は、魚が大好きでよく磯や岸壁に生物採集に出かけます。
普段は千葉方面に行くことが多いですが、伊豆や三浦半島に足を延ばすこともあります。この冬は、ダンゴウオを探しに、父と実家のある埼玉から三浦半島まで車で出かけ、夜の磯を歩き回りました。ダンゴウオは残念ながら見つけられませんでしたが、採集仲間が見つけ、いつか僕も見つけたい!と思いました。
今回は、僕が磯で出会った珍生物について紹介します。

 

そらりくん

三浦半島のとある磯にて、ダンゴウオを探す空璃くん(手前右)。寒いので完全防備

 

磯に、まさかのドチザメが!?

2016年10月上旬、僕は一ヶ月ぶりに房総半島のホームである磯にいた。この磯は少し特殊で、なんと磯の中にコンクリートで造られた岩壁のような場所があるのだ。その深さは5mくらい。そこにチョウチョウウオでもいないかと覗いたとき、心臓が大きく波打った。
流線型の体、背中にある灰色の斑点……、ドチザメだ!全長50cmほどだったので岩壁用の大き目な網を使って捕獲した。
図鑑などを見ると稀に磯にいると書いてあり、個人的に会えるのは数十年後になるのだろうな~、と思っていたため、こんなにもすぐ会えてしまい驚いた。
現在、僕の家ではサメをメインに飼育しており、このドチザメにも家で暮らしてもらうことにした。アジを一匹あげるとすぐに餌付いてくれて、安心した。
いつも行っている海でも、予期せぬ生物との出会いがある。これだから、海に行くのをやめられない。

 

磯でドチザメに遭遇

磯でドチザメに遭遇。まさかの出会いに胸が高鳴る

 

ドチザメ

採集したドチザメを飼い始める。飼育の第一ステップ、餌付けに成功

 

ドチザメの顔

よく見ると可愛らしい顔つきをしているドチザメ

 

岸壁に深海生物を発見!

11月のある晩、僕は静岡県の某漁港で、岸壁採集家の鈴木香里武さんと珍魚を求めて採集をしていた。香里武さんのコーチのもと観察を続けていると、ウミシダのようなものが岸壁から生えているのを見つけた。ウミシダにしては茶色で枝分かれしているな~と思い掬ってみたら、なんと深海生物のテヅルモヅルだったのだ!まさか深海生物を漁港で掬えるなんて!この時の感動は今でも忘れられない。最終的に3個体も採集し、現在も大事に育てている。
大変だったのは、持ち運びだ。それぞれが絡み合うと死んでしまうので、即席で瓶などに穴をあけて一匹ずつに分けて持って帰った。
時々、冷凍のブラインシュリンプ(解凍後)をあげると、ぶわぁーと花が咲いたように広がるので、それを食べているようだ。

 

テヅルモヅル

ヒトデなどの棘皮動物の仲間、テヅルモヅル。不思議な生きものだ

 

海は、本当に面白い。また海をきっかけに出会う人たちも面白い。これからもいろんな生物や人たちに出会いたいと思います。

サメ水槽

サメ水槽。ドチザメ(写真左)の他に、ネコザメ(写真右)もいる

 

筆者プロフィール

饗場空璃

饗場 空璃(あいば そらり)

埼玉県戸田市在住、中学1年生

物心つく前から魚にドはまりしてしまい(特にシーラカンス)、今では月に1度は海に行かないと、体調を崩すという持病を持っている。最初に生き物を飼いたい!と思ったのは5歳の誕生日。そして、はじめて飼ったのがオウムガイ!という訳の分からない人生を歩んでいる。現在は、サメをメインに冷水系から貝類まで多数の珍魚を飼育している。

 

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