連載「珍魚・変魚発見隊」第四回

珍魚・変魚発見隊

2016年5月16日

毎月一回 各隊員が綴る珍魚発見記

これは、珍魚との出会いを求め、海を駆け巡る魚マニア(発見隊)のストーリー。
幼魚から深海魚まで、彼らは見たこともない魚を求め、各地を飛び回る。
磯に漁港に、魚屋に……。魚の気配がある場所は、目を光らせて観察し、目ぼしい魚を見つければ、どこまでも追いかけてゆく。水の中でもなんのその。
今日もどこかで、誰かしら、珍魚と出会いに感涙する……。

そもそも”珍魚”とは何なのか?辞書には、「珍しい魚」、英語では「rare fish」とある。なかなかお目にかかれない魚、ということだろう。ここではさらに、隊員たちが発見した見た目が変わった魚「変魚」も含め、紹介しようと思う。
珍魚(変魚)探しは、隊員たちにとって、まさに宝探しのようなもの。出会えた時の感激は、言葉では言い尽くせない。

ところで珍魚や変魚、いったいどこに行けば会えるのか?実は、意外とその辺にいる。少なからず、隊員たちは、そういう場所をよく知っている。
何も深海まで行かなくても、ちょっと意識を傾けるだけで、その辺の海で、誰でも珍魚・変魚に会うことができるのだ。
ここに登場する隊員は、水族館の飼育係、岸壁採集家、磯観察のスペシャリストをはじめ、とにかく生きもの好きな人、海あそびを得意とする人たちだ。
水場があれば、すかざす覗き込む彼らはまた、”観魚人(うおノゾキスト)”と呼ばれることも。
彼らがこっそり体験しているディープな世界を覗いてみよう。(毎月15日掲載予定)

 

隊員4号(隊員1号の第2弾):あわしまマリンパーク館長の佐藤 充さん

西伊豆のとある港で。そこは大小様々なゴミが溜まる場所。発泡スチロールから、どこかから流れてきた切り株など……、一言でいうと「汚い海」だ。散歩をしている人も多く見られるが、そんなゴミの海に目を止める人はいない。当たり前だ。が・・・そこは採集マニア必見の場所なのだ。なぜならば、そのゴミの近くには色々な魚の子ども達が集まっているからだ。
基本的に魚にとって海は敵だらけ。大きな魚が1~2cmの魚を見つけたら、それは美味しそうなご飯にしか見えない。そんな危険な場所を生き抜くには、自分も浮いているゴミに混じって「私はゴミですよ~」とさりげなく姿を隠す事が大切だ
しかし、目が慣れてくれば、それがすぐに魚であることが分かってくる(中には葉っぱそっくりなやつもいるので、そこら辺の見分け方は要練習)。

いつものようにゴミの海を見ていると、ちょっと大き目な幼魚を発見!(大きさは10cm無いくらいか?)シルエットから、泳ぎが素早い種類と判断。このタイプはスピード勝負。いかに素早く網を入れて、手元に戻すか。1度捕り逃すと、もう同じ個体は捕まえられないと思ったほうが良い。はっきり言ってチャンスは1回だ。間合いも重要。自分の腕の長さと網の長さも頭に入れて勝負する。
これら緻密な計算の結果、今回も捕獲成功!丸い顔立ちに斜めの太いシマシマが特徴。海に入らなくても、魚は捕れるのだ

 

アイブリ幼魚

全長10cmほどのアイブリの幼魚。なかなかお目にかかれないまさに珍魚中の珍魚

 

【アイブリ】
学名:Seriolina nigrofasciata
スズキ目アジ科。
新潟県、能登半島など日本海各地、九州の東シナ海、茨城県~九州の太平洋沿岸、琉球列島、台湾、中国、朝鮮半島南岸、インド~西太平洋に分布。全長70cmに達する。ブリという名前が付くがブリ属ではなく本種のみを含むアイブリ属の魚。若魚では体側に6条の黒色横帯を持つが、成魚では不明瞭になる。

 

アイブリ成魚

(c) 長崎県水産部ホームページ。成魚になると70cm近くになる

 

筆者プロフィール

佐藤充 さん

佐藤 充(さとう みつる)

福島県出身。北里大学水産学部卒業。

幼少時よりいろいろな生き物採集を得意とする。今は魚の他にカエルやイモリも探しに行く。シュノーケリングは小学校くらいから始めた記憶があるが、もしかしたらもっと早かったかも。水族館での飼育歴15年以上。
現在、あわしまマリンパーク館長。

 

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