連載「珍魚・変魚発見隊」第八回

珍魚・変魚発見隊

2016年9月18日

毎月一回 各隊員が綴る珍魚発見記

これは、珍魚との出会いを求め、海を駆け巡る魚マニア(発見隊)のストーリー。
幼魚から深海魚まで、彼らは見たこともない魚を求め、各地を飛び回る。
磯に漁港に、魚屋に……。魚の気配がある場所は、目を光らせて観察し、目ぼしい魚を見つければ、どこまでも追いかけてゆく。水の中でもなんのその。
今日もどこかで、誰かしら、珍魚と出会いに感涙する……。

そもそも”珍魚”とは何なのか?辞書には、「珍しい魚」、英語では「rare fish」とある。なかなかお目にかかれない魚、ということだろう。ここではさらに、隊員たちが発見した見た目が変わった魚「変魚」も含め、紹介しようと思う。
珍魚(変魚)探しは、隊員たちにとって、まさに宝探しのようなもの。出会えた時の感激は、言葉では言い尽くせない。

ところで珍魚や変魚、いったいどこに行けば会えるのか?実は、意外とその辺にいる。少なからず、隊員たちは、そういう場所をよく知っている。
何も深海まで行かなくても、ちょっと意識を傾けるだけで、その辺の海で、誰でも珍魚・変魚に会うことができるのだ。
ここに登場する隊員は、水族館の飼育係、岸壁採集家、磯観察のスペシャリストをはじめ、とにかく生きもの好きな人、海あそびを得意とする人たちだ。
水場があれば、すかざす覗き込む彼らはまた、”観魚人(うおノゾキスト)”と呼ばれることも。
彼らがこっそり体験しているディープな世界を覗いてみよう。(毎月15日掲載予定)

隊員8号:ダイバー・西村欣也さん

伊豆海洋公園(IOP)でキアンコウを撮影中の筆者

伊豆海洋公園(IOP)でキアンコウを撮影中の筆者

 

皆さんこんにちは。週末ダイバーのきんすけこと西村欣也と申します。
さて今回は近年一部のダイバーの中で流行っている「ライトトラップダイビング」とそれによって撮影された生物の写真を少しだけご紹介します。

 

ライトトラップダイビングってなあに?

近年各地で盛んになってきている新しいダイビングのスタイルです。
夜に山の中で白い布を張り、そこにライトの光を当て、集まってくる昆虫を採集する方法をライトトラップ(灯火採集)と呼びます。
これを海の中でやってしまおうというのが、ライトトラップダイビングです。暗い夜の海の中に明るいライトを何本も設置し、集まってくる生物を撮影します。
カイアシ類やゴカイの仲間、稚魚、稚貝、クラゲの仲間が集まってきます。これらの生物は大変小さく、多くのものが5mm前後です。
最近はこれの魅力に取りつかれ、昼夜逆転しているダイバーも少なくありません。

 

今回ご紹介するのは、エビ・カニ類の幼生たちの写真です。
エビ・カニ類の幼生たちは、成体とは似ても似つかない形で浮遊生活をおくっています。

 

カニ類のゾエア幼生

カニ類のゾエア幼生

 

オウギガニ科のメガロパ幼生

オウギガニ科のメガロパ幼生

 

またクラゲに寄生するタイプもいます。
俗にいうジェリーフィッシュライダーと呼ばれる彼らなんですが、主食はなんとそのクラゲなんだそうです。
見つけるとクラゲの周りをクルクルクルクル高速で走り回っています。

 

セミエビ類のフィロゾーマ幼生

セミエビ類のフィロゾーマ幼生。ジェリーフィッシュライダーと呼ばれる

 

セミエビ類のフィロゾーマ幼生

時にはクラゲを引っ張ります。笑

 

実は今、ダイバーの集まる居酒屋で知られる「琉球酒房 菜酒家FU-KU」で、そんな写真を展示させてもらっています。
ベーラムというヘリコプターの回転翼のような器官を使って浮遊する“巻貝のマクジリヴィリア幼生”、花火のような形の“ハナギンチャク科のアラクナクチス幼生”、ヘルメットを被った“チョウチョウウオ科のトリクチス幼生”、くねくねと透明の体で泳ぐ“ウナギ、アナゴ類のレプトケファルス”などの写真を展示しています。

ぜひ、おいしいお酒と料理を楽しみながら、夜の海の世界を覗いてみてください。

 

 

西村欣也・写真展「Black in Blue」

期間:2016年9月1日(木)~10月31日(月)
(9/1、9/8、9/11、10/13、10/21、10/29は当写真展の貸切イベントで満席)
お電話でご確認ください。

会場琉球酒房 菜酒家FU-KU
神奈川県川崎市高津区下作延2-4-10 琳和サニーコート1F
tel. 044-861-1414

営業時間:平日、17:00~24:00 L.O. /土・祝日、17:00 ~ 23:00 L.O.
日曜定休

 

筆者プロフィール

きんすけさん

西村欣也(にしむらきんや)

1992年3月3日生まれ。

1968年2月生まれ、神奈川県藤沢市在住。普段は都内に勤務する会社員で、週末ダイバー。ニックネームはきんすけ。
幼少の頃より海が遊び場で、1998年より素潜りでの水中撮影を始める。2002年スクーバダイビングのCカードを取得、本格的に水中写真を始める。
以後、各種フォトコンテストでの入賞、「海で逢いたい」、「Blue+」等の合同写真展への出展、図鑑「改定新版 海水魚」(誠文堂新光社)、雑誌「マリンダイビング」、「ダイバー」への写真提供を行っている。FUKUでの個展は2度目

 

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