新連載フォトコラム『色とりどりの世界~石垣島をめぐる大自然の物語~』第一回

フォトコラム

2015年1月31日

写真・文/内藤 明(HP)

毎月1回 石垣島の大自然を紹介

今月より、石垣島でネイチャーガイドを務める内藤明さんのフォトコラムがスタートします。石垣島に暮らして10年以上、海や森のツアーガイドをしながら壮大な自然やさまざまな生きものとふれ合ってきたあきら氏。日々、島の素晴らしさを発見し続けています。本コラムでは、刻々と移り行く大自然の風景や生きものたちのドラマをお届けします。意外と知らない島の日常風景や、気になる島料理のことなども飛び出すかも!? どうぞお楽しみに。

美しい写真を見ながら、ほんのひとときでも一緒に島を旅しているような気分に浸っていただければ幸いです。(毎月末日掲載予定)

第一回 『いちばん好きな海』

はじめまして。石垣島で海や森のツアーガイドをしている、あきらと申します。今月より、石垣島の海や森、星空などの大自然の風景を皆さまにお届けすることになりました。どうぞよろしくお願いします!第1回目の今回は、私が一番好きな海をご紹介しましょう。下の写真の場所です。

「パナリ島」

左が新城島(あらぐすくじま)の上地島、右が新城島の下地島。現地の方言で、二つ合わせ「パナリ島」と呼ぶ?

以前ここにモルディブ出身のお客さまをご案内した時「海が故郷と同じ色をしている」と、目に涙を浮かべていたことが忘れられません。ここは、石垣島から船で45分ほどで行ける「パナリ」と呼ばれる島々。新城島の上地島と下地島の二つからなるパナリは、石垣島から「離れ」ていることが語源となり、「はなれ」→「?パナリ」となったと言われています。

海の色

奥の海の色は濃紺。パナリに近付くと、急激に海の色が浅くなる

私は東京都出身で、高校卒業とともに石垣島に移り住みました。高校生の頃、放課後ほぼ毎日立ち寄る本屋さんがありました。お店の奥に、海や自然の写真集を並べた小さなコーナーがあって、そこは漫画や月刊誌のコーナーとは異なり、いつも同じ顔ぶれが陳列されていてとても居心地がよかったのです。その中でお気に入りだったのが、野寺治考さんの「海の日」という写真集。私は、卒業式の数日前にこの写真集を買い、島へと渡りました。

「海の日」 野寺治孝?著

「海の日」 野寺治孝?著

「海の日」の29ページに、リーフ(サンゴ礁)に囲まれた小さな島の写真があります。その島には港が一つと、真ん中に倉庫のような建物があります。島の周囲は森に囲まれていて、それ以外は草原。「いつかこんな島に行ってみたいな。どんな人が暮らしているんだろう。どこにあるんだろう。」なぜか、その島に強く惹かれたことを憶えています。

石垣島に渡ってから数年後、母から誕生日に一冊の本が送られてきました。開けてみると、同じ「海の日」が。

母:「こういうの好きでしょ?」

私:「うん、持ってる」

その日、改めて「海の日」を数年ぶりに開き、29ページの島を見てみると、どことなく見覚えがあります。以前読んだ記憶が残っているわけではなく、実際に見た覚えがあるような……。 島の形、港の位置、島の中央を通る悪路、牛舎、リーフの形状と隣の島との距離、サンゴ礁の分布具合….…。どれも僕の記憶と、ゆっくりと合致してゆくのです。 ふと、今まで気づかなかった奥にある島に目がとまります。そこに見える雲に隠れた島は、そう、西表島! ということは、この島はパナリ(新城島の下地島)!

下地島のビーチ

下地島のビーチは、私が世界で一番好きな海。左奥は西表島。右は上地島

ずっと憧れていたこの写真の島で、実際に自分が働いていたと気づいたときには、涙が出るほど嬉しかったのを憶えています。その年、私はこのパナリ島でシュノーケルツアーのガイドとして働いていたのです。石垣島から船で1時間かけてパナリ島に行き、海でいっぱい遊んで帰ってくる、という最高の仕事でした。しかし、翌年そのツアーを開催していたお店がなくなってしまい、私は他のお店で働きながら、自分の今のお店「りんぱな」を立ち上げることにしたのです。

下地島のシンプルな港

下地島のシンプルな港。住人は牧場の管理人が1?2名だけ

なくなってしまったお店が、もしあの良い雰囲気のまま続いていたとしたら、私はずっとパナリでガイドをしていたかもしれません。そうだとしたら、今のお店「りんぱな」の気さくなスタッフとも出会わなかったし、皆さんとも出会えなかったかもしれません。 写真を見ていると、楽しい思い出や新しい発見がいつも目の前に浮かんできます。

パナリ近海のサンゴ

パナリ近海は、グレートバリアリーフよりもサンゴの種類が多い

パナリ島のいいところは、人がいないところ。下地島の住人は、牧場の管理人が1?2名常駐しているだけで、他には誰も住んでいません。定期船も通っていないので、海はきれいだし、いつだって貸し切り状態。島から船で3分も離れれば、石西礁湖(せきせいしょうこ)と呼ばれる日本一のサンゴ礁が目の前に広がり、巨大なシャコ貝や、石西礁湖の中でも珍しい魚や貝が多く見られます。

すもぐり

「すもぐり」という名の、贅沢

パナリ周辺は海が浅く、サンゴが水面ぎりぎりまで成長している場所が多く見られます。上の写真は2013年の夏に撮影したものですが、周辺の海域ではサンゴが大量死しているにもかかわらず、この場所では健全なサンゴが多く見られました。人の生活がないため、生活排水や畑からの赤土流出がないことに由来するのかもしれません。

ゆしどうふ

豆乳に、船べりから汲んだ海水を混ぜて作る?"ゆしどうふ”?は激ウマ。スタッフだけで遊びにいく時によく作る?

ゆしどうふ

ふわふわの食感がたまらない美味しいゆしどうふのできあがり

ここからは、海に癒される人々の写真を紹介

りんぱなスタッフのつよし

りんぱなスタッフのつよし。スタッフでさえ、こんな顔になってしまうほど、パナリは美しい島

大人は子どもに、子どもは少し大人になる

大人は子どもに、子どもは少し大人になる

親子二人

親子二人旅。お父さんはダイビング、息子さんはシュノーケリング

スタッフもうたた寝

パナリの楽しみは船旅にもある。帰りはスタッフもうたた寝

以上、第一回目は私の大好きな海のお話でした。これからこの連載を通して、私の好きな石垣島や八重山諸島のことを皆さんに知っていただけると思うと、ワクワクします。日頃ダイビングをしに石垣島や八重山諸島に通われている皆さんにはあまり触れあう機会がないような、島の日常風景や美味しい島料理のことなどもご紹介していこうと思いますので、お楽しみに。

筆者プロフィール

内藤明さん

内藤 明(ないとう あきら)

東京都出身。

高校卒業と共に石垣島に移住。サトウキビ農業をしながらダイビング、シュノーケリングショップなどで働き、2006年に「エコツアーりんぱな」を起業。現在は島の海や山をガイドする傍ら、国内の大学と連携し生物調査をしたり、島内外の学校にて自然教育を行っている。

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