連載フォトコラム『色とりどりの世界~石垣島をめぐる大自然の物語~』第二回

フォトコラム

2015年2月28日

写真・文/内藤 明(HP)

毎月1回 石垣島の大自然を紹介

石垣島でネイチャーガイドを務める内藤明さんのフォトコラムです。石垣島に暮らして10年以上、海や森のツアーガイドをしながら壮大な自然やさまざまな生きものとふれ合ってきたあきら氏。日々、島の素晴らしさを発見し続けています。本コラムでは、刻々と移り行く大自然の風景や生きものたちのドラマをお届けします。意外と知らない島の日常風景や、気になる島料理のことなども飛び出すかも!? どうぞお楽しみに。

美しい写真を見ながら、ほんのひとときでも一緒に島を旅しているような気分に浸っていただければ幸いです。(毎月末日掲載予定)

第二回 『ホタルの棲む美しい森』

石垣島と西表島の間には、石西礁湖(せきせいしょうこ)と呼ばれる世界で2番目に種類数が豊富なサンゴ礁があります(サンゴの種類が最も多いのはフィリピン近海)。ダイビングやシュノーケリングで、一面に広がるサンゴ礁やたくさんの魚たち、時にはマンタを見たことがある方も多いのでは。その美しい海へと水を届けるのは、島の美しい森たちです。今日は、海へつながる石垣島の美しい森を、皆さんにご紹介したいと思います。

ヤシの森を流れる渓流

ヤシの森を流れる渓流

生きた化石のヒカゲヘゴ

生きた化石のヒカゲヘゴ

天然記念物のカンムリワシ

天然記念物のカンムリワシ。畑を動くトカゲなどを狙う

サキシマキノボリトカゲ

サキシマキノボリトカゲ。正面から見ると恐竜のような顔

石垣島のジャングルにはたくさんの生きものが棲んでいて、ちょっと森を歩くだけで固有種や天然記念物に出会えます。ダイビングをしていると生きものとの距離が近く感じられますよね。島の森も同じで、珍しい生きものもすぐ近くで見られます。

何よりすごいのが、夜の森。私のお店から車で5分ほど行くと、下の写真のような光景が広がっています。

ヤエヤマヒメボタルの集団発光

これは日本で一番小さいホタルの仲間、ヤエヤマヒメボタルの集団発光

ヤエヤマヒメボタルの集団発光

初めてこのホタルを見た時、涙が溢れてきたことを覚えています。あぁ、いつまでも見ていたいな……と。真っ暗な森で灯りひとつ点けずにいましたが、怖いという気持ちは全くありませんでした。穏やかな気持ちになって、森に守られているようにさえ感じたのです。

その数年後、ホタルの季節になると夜の森へホタルや夜行性の生きものを見に行くナイトツアーのガイドを始めました(ナイトダイビングの森版)。3月?6月の間は、毎夜欠かさずこのホタルを見ているのですが、毎晩見ていてもまた明日も見たいと思うほど美しい光景です。

ヤエヤマヒメボタルの集団発光

道の端から端までがホタルの光に覆われて、ホタルのトンネルのようになることも

以前、ホタルの研究をしている方が、こんなお話をしてくださいました。

「このホタルの場所を誰にも見せずに自分だけの秘密にしていたら、もし開発されるとなった時、誰からも反対の声が上がらなくなる。それでは守れない。あなたは見せなさい」

見せ、素晴らしさを伝え、大切にしてもらう。私がこのホタルを皆さんに見せる理由です

ヤエヤマヒメボタルの集団発光

このホタルは一日のうちわずか数十分間だけしか光りません。それはなぜだと思いますか?そもそもホタルはなぜ集団で光るのでしょう。ご飯を探すため?それとも、みんなで遊んでいるのでしょうか?実はホタルは、オスとメスが互いに出会うために光で会話をしています

ヤエヤマヒメボタルの集団発光

ホタルが光るには多くのエネルギーを必要とします。短い時間内での集団発光の秘密は、体力のない、日本で一番小さなホタルたちが一匹でも多く子孫を残せるように、と大昔に森が決めてくれた約束事なのです。

もしもホタルが飛び交う中で人が灯りを点けてしまったら、大昔から続く「森のルール」を崩してしまうことになります。私はツアー中、どんな小さな灯りも点けないようにしています。

ヤエヤマヒメボタルの集団発光

みんなが意識を向ければ、ホタルの光は未来へと続いていくでしょう。この森で、私はこの小さな素晴らしい命のことを、これからも伝え続けます。

100年後、200年後の子どもたちにも、この美しい光景の一部になってほしいという願いを込めて・・・。

ヤエヤマヒメボタルの集団発光

筆者プロフィール

内藤明さん

内藤 明(ないとう あきら)

東京都出身。

高校卒業と共に石垣島に移住。サトウキビ農業をしながらダイビング、シュノーケリングショップなどで働き、2006年に「エコツアーりんぱな」を起業。現在は島の海や山をガイドする傍ら、国内の大学と連携し生物調査をしたり、島内外の学校にて自然教育を行っている。

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