連載「シャークジャーナリスト沼口麻子の
相棒、みつくりクンの友だち紹介」第十回

シャークジャーナリスト沼口麻子

2013年8月20日

毎月1回 気になるサメを紹介

麻子さんとみつくりクン

麻子さんと相棒みつくりクン

サメをこよなく愛するサメの専門家、シャークジャーナリスト・沼口麻子さんによる連載です。このコーナーでは、麻子さんの相棒、みつくりクンが登場し、友達のサメを紹介していきます。いろんなサメの生態や知っていると役に立つことなど、さまざまな視点からサメ情報をお届けします。きっと今まで知らなかったサメの一面も知れるはず。これを読んで、サメを好きになってくれる方が増えれば嬉しい限りです。もちろんダイビングで見られるサメも登場します。お楽しみに!(毎月20日掲載予定)

 

 

■みつくりクンのプロフィール

 

みつくりクン

 

まずは、みつくりクンの紹介から。みつくりクンは、シャークジャーナリスト沼口麻子さんの肩に背負われて一緒に旅をしているミツクリザメ

ノーマルモードの時はカワイイが、ビックリすると顎が飛び出し気味になるので、悪魔のサメ「ゴブリンシャーク」の異名を持つ。

心はやさしく、サメ業界の顔は広い。

みつくりクンとの旅の模様は「シャークジャーナリスト沼口麻子の今日もサメ三昧!(facebook)」より。

 

 

友だちその10 幻の巨大ザメ「メガマウスザメ」さん

 

以下、「沼」→沼口さん、「み」→みつくりクンです。

 

:こんにちは!サメをこよなく愛するサメの専門家、シャークジャーナリスト沼口麻子です。

:こんにちは!ぼく、ミツクリザメのみつくりクンです。

:それにしても暑い日が続くよね。

:日中に外出したらひからびちゃいそうだ!

:みつくりクンの体はとくに水分量が多そうだから、なおさらだね。笑。

:常にペットボトルを持参して、水分補給を心がけます。

:そうそう、みつくりクン、NHKスペシャル番組の「深海ザメ特集」すごかったよね〜。個人的には、恩師の田中彰先生がご出演されていて、興奮しちゃった!

:ぼくのお友達もたくさん出演していたみたいだね。

:特に「幻の巨大ザメ」というキャッチコピーが似合うメガマウスザメさんがすごかった!

:あれれ、ぼくじゃないんだ。悲。

:ミツクリザメの捕食シーンもなかなかだったけどね。

:フォローありがとう。

 

みつくりクンの捕食シーン

©友永たろ。みつくりクンの捕食シーン。ウェブサイト「サメくるーず」より。
http://same-cruise.com/same-sanpo/1074.html

 

:それではみつくりクン、今日はその幻のお友達を紹介してくれるかな?

:ラジャー!幻の巨大ザメ「メガマウスザメ」さんを紹介するよ!

 

メガマウスザメ

©友永たろ。メガマウスザメ

 

:メガ=大きい、マウス=口っていうことで、口が大きいからメガマウスザメって名前がついたの?

:うん、そうなんだ。

:でも、同じ巨大ザメのウバザメやジンベエザメも、お口は大きそうだけど。

:確かにそうだよね。

:特に、ウバザメさんは大口を開けているイメージが強いから、それこそ「メガマウス」と名付けられた方がよかったんじゃない?と思っちゃうんだけど。

:いや、これを見て欲しい。

 

メガマウス

「国際シンポジウム;ろ過食板鰓類ーその謎を解く」における仲谷一宏先生のタイトル「メガマウスザメーその摂餌と生態」のプレゼン資料より一部抜粋。仲谷先生の発表によれば、体の大きさを100%としたときの口の大きさは、ウバザメが17〜18%、ジンベエザメが18~25%、メガマウスザメが25~29%を占めるそうだ。

 

:サメの大きさ(全長)と口腔内の大きさを比較したら、1位がメガマウスザメさんだったのね!

:これは国際サメ学会で、北海道大学のサメ博士である仲谷先生が発表された内容なんだけど、巨大ザメの中で一番口が大きいのがメガマウスザメさんだと言って良さそうだね。

:他には何か際立った特徴ってあるのかな?

:メガマウスザメさんの得意技って知っている?

:なんだろう。他のサメと違う部分が色々ありそうだけど・・・。

:一番の特徴は、肩関節が柔らかいことなんだ。

:肩?それはサメでいう、胸びれのつけねが柔らかいってこと?

:そうなんだ。

:それはつまり、どういうことなんだろう?

 

メガマウス

「国際シンポジウム;ろ過食板鰓類ーその謎を解く」における冨田武照先生のタイトル「メガマウスザメーその機能と形態」のプレゼン資料より一部抜粋。

 

:ホホジロザメやアオザメの胸びれを思い浮かべてみて。とても硬くて、胴体にしっかりと固定されてるんだ。これは、高速に泳ぐために適している胸びれなんだよ。

:イルカの胸びれも胴体にしっかりと固定されている感じがあるけど、あれと一緒なのかな。

:そうだね。一方で、メガマウスザメさんの胸びれはぶらぶらしている。他のものに例えると、ザトウクジラの胸びれに近いのかもしれない。

:じゃあ、ヒレがぶらぶらしているメガマウスザメさんは、高速に泳ぐというよりは、ゆったりと、時には小回りなんかしながら泳いでいるのかもしれないね。

 

:では、口が大きくて、肩関節がやわらかいという特徴を持つメガマウスザメさんですが、そもそも、世界中で何個体が確認されているか知っている?

:う〜ん、37年前に新種として発見されて大ニュースになったことは知っているけど、よくわからない・・・。

:2013年6月時点で、75個体が記録されているよ。

:それはつまり、メガマウスザメという生物の信頼性のある存在確認は、わずか75匹だけということ?それってめちゃめちゃレアじゃない?!

:そうなんだよ!だから幻のサメと言われているんだ。わかってくれた?

 

:そうだ、メガマウスザメと言えば、聞いて欲しいことがあるの!

:何々!?

:先日、中学校3年生のサメ好き男子Tくんから頂いたメッセージなんだけど、彼の将来の夢は、世界一のサメ研究者になることなんだって!

:わおっ!それは嬉しいね〜☆

:彼は、すでにかなりシャーキビリティが高いようなんだけど、サメ好きになったきっかけは、小2の時に、図鑑の中でかわいらしいメガマウスザメさんに出会ったことなんだって!

:おぉ〜、小2で既に「幻の巨大ザメ」に目をつけていたとは、ただ者ではない!

:そうだよね。彼の今後が楽しみです。

 

メガマウスザメの公開解剖

©榊原信介。東海大学海洋学部で行われたメガマウスザメの公開解剖

 

メガマウスザメの公開解剖

©榊原信介。東海大学海洋学部で行われたメガマウスザメの公開解剖

 

:これはサメマニアの間で有名な、東海大学海洋学部で行われたメガマウスザメの公開解剖だね。麻子さんも解剖したの?

:うん、私は腸を担当したよ。

:おぉ、そうなんだ。何かわかったことあった?

:エイにしか付いていないはずの寄生虫が見つかったの。

:そ、それはマニアックだけど、興味深いね!

 

メガマウスザメの公開解剖

©榊原信介。ピンクのTシャツで記録している人(写真中央)が麻子さん。東海大学海洋学部で行われたメガマウスザメの公開解剖にて。

 

メガマウスザメの公開解剖

©榊原信介。ピンクのTシャツで記録している人(写真左)が麻子さん。東海大学海洋学部で行われたメガマウスザメの公開解剖にて。

 

:それにしても、ひとつ疑問があるんだよね。メガマウスザメさんは日本近海で見られることが多いと聞いたけど、それは彼らが日本の近くにしか棲んでいないってことなの?

:いや、そうとも限らないんだよ。メガマウスザメさんは、定置網に誤って入ってしまうことが多いんだ。日本では定置網漁が盛んだから、ただ単に多く確認されているだけかもしれないんだよ。

 

メガマウスザメ

北川の定置網の中に間違ってはいってしまったメガマウスザメ。©写真•映像の提供 北川の定置網の漁師さん及び北川ダイビングサービス(FUNKY HOUSE DIVING SCHOOLブログより)

 

:なるほど。じゃあ、もしも世界中で定置網が仕掛けられたとしたら、案外いろんなところでメガマウスザメさんに会えるかもしれないんだね〜。

:その可能性は否定できないね。

:うふふふふ。

 

メガマウスザメ

少しワルそうな顔をしているところがかわいい。2007年6月8日に伊豆のダイビングポイント北川で、定置網にメガマウスザメが入った。この後、リリースされた。©写真•映像の提供 北川の定置網の漁師さん及び北川ダイビングサービス(FUNKY HOUSE DIVING SCHOOLブログより)

 

貴重なメガマウスザメの生体映像

©写真•映像の提供 北川の定置網の漁師さん及び北川ダイビングサービス(FUNKY HOUSE DIVING SCHOOLブログより)

:ではここで、みなさんのメガマウスザメのグッズを紹介します!

 

メガマウスのフィギュア

©榊原信介。フィギュア

 

:これは定番ね。

:サメ好きの人が持っている率は高そうだね。

 

メガマウスのフィギュア

Tくんのコレクション

 

:お、これは揃っているね。主流のメガマウスザメグッズはすべてラインナップされていそうだね。

:本当だ!でも、私もこんなメガマウスザメ見つけちゃったんだよ〜。

 

メガマウスザメのクッキーやキャンディ

メガマウスザメのクッキーやキャンディ(深海展にて販売中)

 

メガマウスザメのクッキーやキャンディ

メガマウスザメのクッキーやキャンディ(深海展にて販売中)

 

メガマウスザメのクッキーやキャンディ

メガマウスザメのクッキーやキャンディ(深海展にて販売中)

 

:わ〜、めちゃめちゃカワイイ〜〜〜〜!!

:うん。かわい過ぎて、私も食べられません。

 

◇みつくりクンの今月のつぶやき◇

サメが好きっていうと男性を連想しがちだけど、案外、女性のサメ好きの人、多いよね!

 

◇『サメあるある』コーナー◇

水族館のお土産売り場では、サメグッズ探しが目当て。目を皿のようにして真剣にお土産売り場をうろつく。(埼玉県さかなちゃんさん)

 

:あるある~!ほんっとにある!

:あるあるある〜。

:サメグッズ探しは、水族館に行く目的のかなりのウエイトを占めていると言っても過言ではないよね。

:まさにそう!水族館のお土産コーナーでは、サメグッズのチェック漏れは絶対にない自信がありますね。笑。

:ぼくもだよ。更に上級になると、メーカー名によるサメグッズのデータベースが頭の中に入っている人もいるよね。

:メーカーによるシャーキビリティの高さランキングとか、あるからね。ふふふふ。

:今、あるあるって思ったあなた!絶対にシャーキビリティが高いです。ぐふふ。

:皆さんから、「サメあるある」を募集しています。マニアック過ぎても、可愛らしいネタでも、サメが絡んでいれば何でもかまいません。あなたのシャーキビリティを、「サメあるある」コーナーにぶつけて下さい!

 

シャーキビリティ(Sharkibility)とは、サメ、エイ全般に対する知識力や強い情熱という意味を持つ造語。一般的にサメに詳しい人を「シャーキビリティが高い」といいます。

 

■「サメあるある」のご応募は、下記メールアドレスまで。

sharkjournalist@gmail.com

 

以下の内容を添えて、送信してください。

件名:サメあるある

内容:

お住まいの県:

ニックネーム:

(任意)サメエピーソード・好きなサメ:

※尚、応募いただいた作品は、私が情報発信するメディアで使用させて頂く場合がございます。ご了承下さい。

 

シャークジャーナリスト沼口麻子(ぬまぐちあさこ) のプロフィール

麻子さん

 

小笠原諸島のサメの研究をするうちに、サメは本当に面白い生きものなのに、世界中を探しても、サメの魅力を一般の方に伝えることを専門にしている人がいないことにいち早く気がつき、サメを語る第一人者として、テレビや雑誌を中心に活動している。 東海大学海洋学部出身。

Facebookグループ「サメ好き集まれ!〜シャークジャーナリスト交流会〜」 を運営する。

 

【近日の活動】

○TV出演:ダーウィンが来た!アーカイブクイズ番組「♂と♀のネイチャーバラエティSeason2 海の生き物編」専門家解説員、フジテレビ「人生の正解TV~これがテッパン~」インタビュー出演他

○学会パネラー出演:パネルディスカッション「サメの魅力と今後の研究の展開について」日本板鰓類研究会主催

○雑誌連載:月刊マリンダイビング「サメの魅力と憧れのシャーキビリティ・ライフ」

○公式ウェブサイト:サメくるーず

 

◇交流会速報◇

 

●2013年08月31日〜09月01日 第2回サメ合宿@静岡

 

詳細はこちら↓

http://kokucheese.com/event/index/101575/

 

●2013年09月10日 サメ談話会〜秋のサメ女スペシャル〜@六本木

 

詳細はこちら↓

http://ameblo.jp/sharkjournalist/entry-11590050501.html

 

◇ラジオ出演情報◇

 

日時:2013年09月09日(月) 夜22:00~22:45

放送局:大江戸放送局・レインボータウンFM(FM79.2)

番組名:月も笑う夜に~虹色トークライブ~/生放送ゲスト

※パソコンなどからの視聴方法

http://www.warauyoru.jp/esp.php?_page2=listen

 

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