連載「シャークジャーナリスト沼口麻子の
相棒、みつくりクンの友だち紹介」第十一回

シャークジャーナリスト沼口麻子

2013年9月20日

毎月1回 気になるサメを紹介

麻子さんとみつくりクン

麻子さんと相棒みつくりクン

サメをこよなく愛するサメの専門家、シャークジャーナリスト・沼口麻子さんによる連載です。このコーナーでは、麻子さんの相棒、みつくりクンが登場し、友達のサメを紹介していきます。いろんなサメの生態や知っていると役に立つことなど、さまざまな視点からサメ情報をお届けします。きっと今まで知らなかったサメの一面も知れるはず。これを読んで、サメを好きになってくれる方が増えれば嬉しい限りです。もちろんダイビングで見られるサメも登場します。お楽しみに!(毎月20日掲載予定)

 

 

■みつくりクンのプロフィール

 

みつくりクン

 

まずは、みつくりクンの紹介から。みつくりクンは、シャークジャーナリスト沼口麻子さんの肩に背負われて一緒に旅をしているミツクリザメ

ノーマルモードの時はカワイイが、ビックリすると顎が飛び出し気味になるので、悪魔のサメ「ゴブリンシャーク」の異名を持つ。

心はやさしく、サメ業界の顔は広い。

みつくりクンとの旅の模様は「シャークジャーナリスト沼口麻子の今日もサメ三昧!(facebook)」より。

 

 

友だちその11 モウカの星「ネズミザメ」くん

 

以下、「沼」→沼口さん、「み」→みつくりクンです。

 

:こんにちは!サメをこよなく愛するサメの専門家、シャークジャーナリスト沼口麻子です。

:こんにちは!ぼく、ミツクリザメのみつくりクンです。

:9月中旬になり、随分涼しくなったけど、この夏は本当に暑かったね。

:今年の猛暑で、夏バテした人も多いんじゃない。

:そうね。異常気象だったものね。私が住んでいる静岡でも、1日2回も竜巻注意報や大雨警報が出たり、なんだか目まぐるしく気候が変わる日が多かったように思うわ。

:そういえば、この前のサメ談話会はどうだった?

:知らない方のためにちょっと説明を。サメ談話会とは、サメの話だけをひたすら3時間する会で、全国各地色々なところで開催しています。今回は都内で開催したんだけど、熊本県からスペシャルゲスト「シャー子さん」が来てくれました。

:シャー子さん!?シャーキビリティの高いお名前だね。どんなお話をしたのかなぁ。

 

ゲストのシャー子さんと麻子さん

左がゲストのシャー子さん。中央が麻子さん

 

サメ談話会に参加してくれた皆さん

サメ談話会に参加してくれた皆様。九州など遠くから参加された方もいて、本当に嬉しかったです。みんな、シャーキビリティが高い!

 

:本当にいろんな話をしたのだけれど、サメの顎の乾燥標本作りの話で盛り上がったよ。

:そうなんだ。それは興味深い。

:うん、サメの頭部から顎だけをうまく取り出すにはコツがいることや、サメ好きのみんなが一度は経験する失敗談とかね。みつくりクン、知ってる?みんなが一度は経験する失敗って。

:もちろんだよ。「ゆでる、土に埋める、水の中入れて放置」がサメ顎制作三大NGワードだね。

:さすがだね!でも、これって普通に考えたら、一番簡単にできる方法のような気がするんだけど、なんでダメなんだろう・・・。

:人間の歯と違って、サメの歯は生きている間中、生え変わり続けるんだ。

:図鑑で見たことある!後ろ側から歯がベルトコンベア式に出てくるんだよね?

:と、いうことは?

:と、いうことは・・・、歯は後ろから前の方に押し出される!?

:つまり?

:つまり・・・、顎の骨と歯はくっついていないっていうことかしら?

:そうなんだ。歯と顎の間には筋肉があるんだね。だから「ゆでる、土に埋める、水の中入れて放置」の行為をすると肉が完全に腐ってしまう危険がある。そうすると、バラバラと歯が落ちてしまうんだ。

:なるほど〜。サメの顎の構造をしっかりと理解していないとわからないことだね。

 

:そういえば、今月初めに開催されたサメ合宿では、サメの顎標本を作ったとか。何ザメを使ったの?

:サメ合宿というのは、サメ三昧な一日を過ごすというイベントなんだけど、その時に使ったのは、「モウカの星」のあの子だよ。

:お、かっこいいサメの代表格!

:それではみつくりクン、今日はそのお友達を紹介してくれるかな?

:ラジャー!モウカの星で有名な「ネズミザメ」くんを紹介するよ!

 

ネズミザメ

©村上智勝。ネズミザメ

 

:ネズミザメくんってネズミに似ているの?

:いや、全然似てないんだよね。

:身体の大きさが小さいとか?

:いや、2〜3mと大きいんだ。

:ネコザメちゃんが1m前後なのに、ネズミザメくんはその倍以上の大きさだとは、なんだかおかしいね、ふふふ。

:そうなんだよね。

:ネズミザメくんの好物は何?

:鮭だよ。

:わ、それもなんかネコっぽい。

:ややこしいね。

:ネズミザメくんは、どの辺に住んでいるの?

:東北とか北の方に住んでいるよ。

:そうなんだ。それなら鮭が大好物なのも納得だ。

:ネズミザメくんは地方名で「モウカザメ」と言われていて、食用にもされているんだ。

:サメって、美味しくないイメージが一般的には強いよね。

:サメの中でもネズミザメくんは美味しいサメのひとつ。現代の冷凍技術を使えば、新鮮にお店まで運ぶことができるから臭いはほとんどしないんだよ。

:そうなんだ!

:ネズミザメくんはフカヒレだけでなく、肉の部分も美味しいし、新鮮な生の心臓も珍味として食べられているよ。

:心臓!?

:「モウカの星」っていう名前で、地元の気仙沼の漁師さんの間で親しまれているよ。

 

サメ肉料理

©上杉誠。スーパーマーケットで売られているネズミザメの切り身

 

モウカの星

©村上智勝。新鮮なネズミザメの心臓は「モウカの星」と言われ、気仙沼の漁師さんの間ではよく食べられている

 

:サメの心臓が美味しいだなんて知られていないよね。

:そうだね。そういえば、この前、都内で開催した「サメを食べる会」では、モウカの星も出たそうじゃない?

:うん、その日に水揚げされたモウカの星を、東京まで直送してもらったの。

 

:どうだった?

:レバ刺しみたいな感じで美味しかったよ。驚いたことに、臭みは全く感じなかった!

:でしょ。お子さんは食べていた?

:4歳の坊やが試食したのだけれど、「大人の味がします」と、感想を述べていたわ。

:わ、かわいい感想だね。

 

:ネズミザメくんの特徴って他には何かしら?

:ホホジロザメくんにも似ているけれど、歯の形が全く違うところかな。

:どういうこと?

:ホホジロザメくんは、ひとつの歯にノコギリ状のギザギザがついていて、これはナイフ状の歯、なんて言われているんだ。

:なるほど。

:一方、ネズミザメはフォーク状の歯と言われていて、歯の側面がつるっとしている。身体の外見的な違いは明確にはわからないけど、口の中を見れば一目瞭然なんだよ。

 

ホホジロザメの歯

ホホジロザメの歯

 

ネズミザメの顎

©黒澤靖大。ネズミザメの顎

 

ネズミザメの顎

©長澤裕。ネズミザメの顎

 

:他には特徴的なところがあるのかな?

:吻端(ふんたん)といって、ネズミザメの鼻っ面には硬い骨があるんだ。

:それは他のサメにはないの?

:ないよ。

:何のためにあるのかな?

:触った感じはものすごく硬いから、もしかしたら・・・。

:頭突きするためかな!?

:うん、何らかの理由で硬くなったとしたら、その可能性があるかもね。

 

ネズミザメの鼻っ面の中にある骨

ネズミザメの鼻っ面の中にある骨。一部の地域では、これに彫刻をしたものがお土産品になっているらしい

 

:ネズミザメくんの仲間って、他にどんなサメがいるのかな?

:身体の形が似ているのは、ホホジロザメだね。シャープにした感じのアオザメや尾っぽが長いオナガザメの仲間もネズミザメくんの仲間だよ。

:へ〜、そうなんだ。

:そのネズミザメの仲間が豊富に揃う、大人向けのサメぬいぐるみの販売サイトがあるよ!

:わわっ、シャーキビリティ高い☆

 

ホホジロザメのぬいぐるみ

ホホジロザメのぬいぐるみ@ぬいぐるみ工房nuwasu
http://tzkuri.com/item/uAtURE5x47eR

 

ニタリのぬいぐるみ

ニタリのぬいぐるみ@ぬいぐるみ工房nuwasu
http://tzkuri.com/item/vfU1pcFZ8ZcC

 

◇『サメあるある』コーナー◇

立体パズル、ホホジロ鮫解剖モデル

 

立体パズル「4D VISION 〜動物解剖 No.02〜」。ホホジロ鮫解剖モデルは、右の胸ビレが取れやすい。(東京都・Iさん)

 

:あるある〜!ほんっとにある!って、これまたマニアックだな。笑。

:あるあるある〜。

:この立体のホホジロザメ解剖モデルは、サメ好きさんがかなりの確率でコレクションにしているような気がする。

:螺旋弁のある腸や子宮内にサメの子どもがいたり、とリアルなのよね。

:この立体パズルは、パーツがそれぞれしっかりはまっていて、分解するのも多少力がいるんだけど、なぜか、右の胸ビレだけが取れやすいんだ。

:確かに。この前サメ合宿に持って行ったら、右の胸ビレがなくなっちゃって焦ったもん。結局、手さげ袋の下の方にあったから、よかったんだけど。

:今、あるあるって思ったあなた!絶対にシャーキビリティが高いです。ぐふふ。

:皆さんから、「サメあるある」を募集しています。マニアック過ぎても、可愛らしいネタでも、サメが絡んでいれば何でもかまいません。あなたのシャーキビリティを、「サメあるある」コーナーにぶつけて下さい!

 

シャーキビリティ(Sharkibility)とは、サメ、エイ全般に対する知識力や強い情熱という意味を持つ造語。一般的にサメに詳しい人を「シャーキビリティが高い」といいます。

 

■「サメあるある」のご応募は、下記メールアドレスまで。

sharkjournalist@gmail.com

 

以下の内容を添えて、送信してください。

件名:サメあるある

内容:

お住まいの県:

ニックネーム:

(任意)サメエピーソード・好きなサメ:

※尚、応募いただいた作品は、私が情報発信するメディアで使用させて頂く場合がございます。ご了承下さい。

 

シャークジャーナリスト沼口麻子(ぬまぐちあさこ) のプロフィール

麻子さん

 

小笠原諸島のサメの研究をするうちに、サメは本当に面白い生きものなのに、世界中を探しても、サメの魅力を一般の方に伝えることを専門にしている人がいないことにいち早く気がつき、サメを語る第一人者として、テレビや雑誌を中心に活動している。 東海大学海洋学部出身。

Facebookグループ「サメ好き集まれ!〜シャークジャーナリスト交流会〜」 を運営する。

 

【活動実績】

○TV出演:ダーウィンが来た!アーカイブクイズ番組「♂と♀のネイチャーバラエティSeason2 海の生き物編」専門家解説員、フジテレビ「人生の正解TV~これがテッパン~」インタビュー出演他

○学会パネラー出演:パネルディスカッション「サメの魅力と今後の研究の展開について」日本板鰓類研究会主催

○雑誌連載:月刊マリンダイビング「サメの魅力と憧れのシャーキビリティ・ライフ」

○公式ウェブサイト:サメくるーず

 

◇交流会速報◇

 

●2013年10月2日 サメ談話会@横浜

詳細は未定。

 

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