連載「シャークジャーナリスト沼口麻子の
相棒、みつくりクンの友だち紹介」第八回

シャークジャーナリスト沼口麻子

2013年6月20日

毎月1回 気になるサメを紹介

麻子さんとみつくりクン

麻子さんと相棒みつくりクン

サメをこよなく愛するサメの専門家、シャークジャーナリスト・沼口麻子さんによる連載です。このコーナーでは、麻子さんの相棒、みつくりクンが登場し、友達のサメを紹介していきます。いろんなサメの生態や知っていると役に立つことなど、さまざまな視点からサメ情報をお届けします。きっと今まで知らなかったサメの一面も知れるはず。これを読んで、サメを好きになってくれる方が増えれば嬉しい限りです。もちろんダイビングで見られるサメも登場します。お楽しみに!(毎月20日掲載予定)

 

 

■みつくりクンのプロフィール

 

みつくりクン

 

まずは、みつくりクンの紹介から。みつくりクンは、シャークジャーナリスト沼口麻子さんの肩に背負われて一緒に旅をしているミツクリザメ

ノーマルモードの時はカワイイが、ビックリすると顎が飛び出し気味になるので、悪魔のサメ「ゴブリンシャーク」の異名を持つ。

心はやさしく、サメ業界の顔は広い。

みつくりクンとの旅の模様は「シャークジャーナリスト沼口麻子の今日もサメ三昧!(facebook)」より。

 

 

友だちその8 いつも笑顔だけどエラがアウトローな「エビスザメ」ちゃん

 

以下、「沼」→沼口さん、「み」→みつくりクンです。

 

:こんにちは!サメをこよなく愛するサメの専門家、シャークジャーナリスト沼口麻子です。

:こんにちは!ぼく、ミツクリザメのみつくりクンです。

:この前、この時期には珍しい浮世絵みたいな富士山みちゃった♪

:わぁ〜、本当にきれいだね〜!

 

三保の松原からみた浮世絵みたいな富士山

三保の松原からみた浮世絵みたいな富士山

 

:これは静岡市清水区から撮影したのよ。そして、富士山の目の前にある海は、そう、駿河湾。ここはサメの種類がとっても豊富なのよ。

:わぁ〜、そうなんだ。

:ええ。ここは水深が急激に深くなっている場所があって、深海ザメの帝国と言われているくらい、多くのサメが住んでいるのよ。

:深海ザメ帝国?!ぼくのお友達もたくさん住んでいるってことだね。

:ミツクリザメをはじめ、深海ザメにはレアものやマニアックな生態のサメが多くて興味深いよね!

:マニアックと言えば・・・。

:笑顔のステキなあのお友達、元気かしら?

:もしかして、エラの数がやけに多いあの子のこと?

:うん、そうそう。では今日はそのお友達を紹介してもらえるかしら?

:ラジャーっ!では、いつも笑顔でエラの数がアウトローな「エビスザメ」ちゃんをご紹介します。

 

エビスザメ

©榊原信介。笑顔で優雅に泳ぐエビスザメちゃん。サメの中でも原始的なカグラザメの仲間。海遊館では、一時期お休みしていたが、今は元気なエビスザメちゃんが泳いでいる

 

:あ、エビスザメちゃんがやってきたわ!

:ジンベエザメのことをある一部では縁起の良い名前として「エビスザメ」と呼んでいることもあるんだけど、正式な日本語名でエビスザメというと、彼女のことなんだ。

:あ、もしかしたら、「エビスザメ」ちゃんのこと、初めて知った人も多いかもしれないわね。

:エビスザメちゃんはサメの中でも知名度が低いかもしれない。なぜならば、ダイビングでは会うことはまずないし、日本の水族館でも展示しているのは稀。だからと〜ってもレアなサメなんだよね。

 

エビスザメ

©榊原信介。身体に斑点があるのがエビスザメの特徴のひとつ。大阪海遊館にて

 

:なんか身体の模様がちょっとドチザメに似てるかも。

 

ドチザメ

これはドチザメ。エビスザメではない

 

:確かに、釣りなんかで釣れるドチザメの身体にある黒い斑点が似ているかもね。でも、決定的な違いがある。

:何々〜?

:エビスザメちゃんの特徴その1、笑顔である。

 

エビスザメ

©榊原信介。やぁ!と言っているかのようにさわやかな笑顔(※顔の傷は水槽の中で擦れてしまったものと思われる)

 

:本当だ!なんだか得意そうな笑みにも見えなくもない。口の形が特徴的でもあるんだね。

:エビスザメちゃんの特徴その2、背びれが1つしかない。

:本当だ!ドチザメなどの他のサメの殆どが、背びれは2つあるのに珍しいね〜!

 

エビスザメ

©榊原信介。背びれは尾びれよりに1つだけあるのがわかる

 

:エビスザメちゃんの特徴その3は、クイズにします。

:おっ、突然きたね!

:さあ、その他のエビスザメの特徴は何でしょうか。

:それは難しいなぁ・・・。

:ではこちらの写真をみて考えて下さい。ヒントが載っています。

 

エビスザメ

©榊原信介。他のサメとは違う、エビスザメちゃんの決定的な特徴がわかるかな?

 

:うぅ・・・。まったく、わかりません。

:では特徴の部分を拡大した写真がこちらです。

 

エビスザメ

©榊原信介。エラ孔の数を数えてみて!

 

エビスザメ

©榊原信介。エラ孔の数を数えてみて!

 

:あ!

:わかった?

:エラ孔の数が、1、2、3、4、5、・・・6、7!?

:そう、正解。エビスザメちゃんは、7つもあるという決定的な特徴があります!

:あれ?でも、確かこの連載の第二回で、「サメグッズを見るとエラの数が5つかどうか確認してしまう」みたいな「サメあるある」があったと思うけど・・・。

:サメは一般的にエラの孔の数が5つというのは事実。だけど、エビスザメちゃんと従兄弟のエドアブラザメくんの2種類だけがエラ孔7つという、類希なるサメなんだ。

:へえ〜!

:サメグッズに関して言えば、エラ孔が5つのホホジロザメやジンベエザメなど有名どころのサメをモチーフした作品が多いから、「サメグッズを見るとエラの数が5つかどうか確認してしまう」ことになるんだね。

:深いな・・・。

:エビスザメちゃんをモデルにしたフィギュアもグッズも、世界中を探しても非常に稀だと思うよ。少なくとも僕は見たことがない。

 

:わわっ、何コレ?かっこいいんだけど。化石か何かかしら?

 

エビスザメの歯

©島根のめがね。エビスザメの歯。斜めにギザギザしているのは原始的なサメの特徴のひとつ

 

:化石じゃないよ。これはエビスザメちゃんの歯。エビスザメちゃんも所属するカグラザメの仲間に共通する特徴なんだけど、下顎の歯が幅広で斜めにギザギザしているんだ。

:ホホジロザメの二等辺三角形の歯と比較すると、まったく違う形で面白いね。

 

エビスザメダイビング

©太田毅人。エビスザメダイビングは南アフリカの喜望峰の近く(サイモンズタウン近郊)でできる。遭遇率はかなり高いらしい

 

エビスザメダイビング

©太田毅人。この日のエビスザメダイビングでは、水深12m付近で50匹ほどが観察された

 

エビスザメダイビング

©太田毅人。人を攻撃したり、水族館でも他の魚を襲ってしまうやんちゃなエビスザメだが、とくに凶暴性は感じられなかった

 

エビスザメダイビング

©太田毅人。体表の白い傷のようなものは交尾後の噛まれた跡?

 

エビスザメ

©田向常城。サメは生殖器があるかないかで、外見でオスとメスが見分けられる。これはメスかな?と思いがちだが・・・

 

エビスザメ

©田向常城。生殖器が確認できたので、オスであった。エビスザメは、他のサメと同様にオスに生殖器があるものの、外見からは確実な判断が難しいサメの一種なのかもしれない

 

©太田毅人。1m未満から3m程度のエビスザメがうじゃうじゃ

 

:彼女の好物は、魚の他に、サメやエイなど。

:こんな歯をしていたら、簡単に噛み切られちゃいそうだね。

:ねえ、みつくりクン。

:なあに?

:さっき、「エビスザメちゃんをモデルにしたフィギュア」はこの世にないみたいなことを言っていたけど、私、見つけちゃった。

 

エビスザメフィギュア

島根のめがねさん手作りのエビスザメフィギュア。市販はされていない

 

エビスザメフィギュア

©島根のめがね。自分でスケッチした絵をもとに、オーブン樹脂粘土のようなもので形を作り、エアーブラシで塗装されたそう。神業的な完成度の高さ。

 

:完成度高っ!!!

:シャーキビリティMAXな作品でしょ!

:はい、完璧過ぎて何も言えません!

 

:そうだ、みつくりクン。何か報告があるそうね。

:はい、そうなんです!ぼくのリアルTシャツが来月から販売されることになりました!

:おめでとう!

:7月からサメグッズ専門の通信販売サイトをオープンします。よかったら、僕のTシャツを買ってね☆

 

ミツクリザメTシャツ

リアルミツクリザメTシャツ。販売価格未定。7月になったら、「サメくる〜ず」というサイトを検索してみてね

 

:っていうか、リアル過ぎじゃない?笑

:世界一リアルな深海ザメにこだわって作ったTシャツだもん。ぼくは大ヒットすると思うんだけどな〜。

:(苦笑)

 

◇みつくりクンの今月のつぶやき◇

ミツクリザメの顎を乾燥させると、思った以上に小さくなる。

 

◇『サメあるある』コーナー◇

サメの顎の乾燥標本を作ろうと思って、土に埋めてしまう。

 

:あるある~!ほんっとにある!

:あるでしょ〜。

:これは、シャーキビリティ入門したばかりの門下生が陥るミス。

:門下生って。笑。

:この結果、土の中でどうなるかと言うと、顎や筋肉は腐り、バラバラになった歯だけになってしまうのです。

:え?それはなぜ?

:サメの顎と歯の間には筋肉があって、それが腐ると歯がバラバラに落ちちゃうんだ。だから、サメの顎の乾燥標本を作る場合、そこの筋肉を腐らせることなく乾燥させなくちゃいけないんだ。

:へ〜。これはサメの構造を理解していないとわからないことだね。

:今、あるあるって思ったあなた!絶対にシャーキビリティが高いです。ぐふふ。

皆さんから、「サメあるある」を募集しています。マニアック過ぎても、可愛らしいネタでも、サメが絡んでいれば何でもかまいません。あなたのシャーキビリティを、「サメあるある」コーナーにぶつけて下さい!

 

シャーキビリティ(Sharkibility)とは、サメ、エイ全般に対する知識力や強い情熱という意味を持つ造語。一般的にサメに詳しい人を「シャーキビリティが高い」といいます。

 

■「サメあるある」のご応募は、下記メールアドレスまで。

sharkjournalist@gmail.com

 

以下の内容を添えて、送信してください。

件名:サメあるある

内容:

お住まいの県:

ニックネーム:

(任意)サメエピーソード・好きなサメ:

※尚、応募いただいた作品は、私が情報発信するメディアで使用させて頂く場合がございます。ご了承下さい。

 

シャークジャーナリスト沼口麻子(ぬまぐちあさこ) のプロフィール

麻子さん

 

小笠原諸島のサメの研究をするうちに、サメは本当に面白い生きものなのに、世界中を探しても、サメの魅力を一般の方に伝える専門家がいないことにいち早く気がつき、サメを語る第一人者として、テレビや雑誌を中心に活動している。 東海大学海洋学部出身。

 

【近日の活動】

TV出演:ダーウィンが来た!アーカイブクイズ番組「♂と♀のネイチャーバラエティSeason2 海の生き物編」他

学会パネラー出演:パネルディスカッション「サメの魅力と今後の研究の展開について」

雑誌連載:月刊マリンダイビング「サメの魅力と憧れのシャーキビリティ・ライフ」

 

◇交流会速報◇

 

●2013年06月28日 第9回サメ談話会@沖縄北谷 3000円

http://ameblo.jp/sharkjournalist/entry-11546747948.html

 

●2013年07月08日 第2回シャークナゲット試食会@六本木 5500円

http://ameblo.jp/sharkjournalist/entry-11541627756.html

 

●2013年08月31日~09月01日 第2回サメ合宿@静岡 価格未定

場所:東海大学海洋科学博物館

【概要】

講演会:深海ザメ調査体験記(仮)

サメ顎標本作り体験

水族館サメガイドツアー

サメ談話会 他

※詳細決定次第、告知します。

お問い合わせはこちらへ↓

sharkjournalist@gmail.com

 

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