連載フォトコラム『イルカの深呼吸~水中写真家・高縄奈々が綴る、野生イルカたちの素顔~』第二回

フォトコラム

2014年2月15日
写真・文/高縄 奈々(HP)

毎月1回 野生のイルカを紹介

先月からスタートした水中写真家・高縄奈々さんのフォトコラムです。ドルフィンスイムガイドとして、10年以上、野生のイルカたちを見続けてきた高縄氏。そんな彼女が写し出す彼らの姿は、実に表情豊か。写真から、意外な一面を発見をすることも多いです。ここでは、選りすぐりの写真と共に、野生イルカたちの興味深い生態について紹介していきます。身近な海で暮らすイルカたちのことを、少しでも多くの方に知っていただければ幸いです。(毎月15日掲載予定)

第二回 『イルカがお腹を見せてくれた!? その意味とは』

ミナミハンドウイルカ

ドルフィンスイムをしていると、イルカが写真のように仰向けになり人間にお腹を見せているように感じることがあります

犬を飼っている方はよくおわかりかと思うのですが、一部の哺乳類は急所であるお腹を相手に見せることで、服従や信頼、甘えたいという気持ちを表していると言われています。

では、イルカの場合はどうでしょうか?それを知るためにはイルカの「視界」について理解する必要があります。

イルカの目は、水面から入ってくる日光から目を守るため、まぶたが「ひさし」のように少し出っ張っています。そのためイルカの視界は真上(背びれ側)が死角となり、見えにくくなっています。逆に、お腹側はよく見えるようになっているので、イルカは両目を使ってじっくり見たいものがある場合、そのものに対してお腹を向けます。なので、人間にお腹を見せている時は、こちらをよく見ていることになるんですね。

ちなみに、利島や御蔵島のミナミハンドウイルカはトビウオを食べることがあるのですが、猛スピードで空中を飛んで逃げるトビウオを追いかける時、イルカはトビウオの真下で仰向けになって泳ぎます。これも、イルカたちにとってお腹側を向けたほうが見やすいことを示しています。

このイルカの視界に関連して、一つ注意していただきたいことがあります。

イルカは先ほども書いたように背びれ側が死角になっているため、真上からまっすぐ近づいてしまうと、ギリギリまで人間の接近に気が付くことができず、とても驚いてしまいます

私たち人間も、背中側からそーっと近づいて来た人が突然視界に入ってきたらびっくりしますよね?なので、イルカと泳ぐ時は彼らの視界もちょっと意識して、驚かさないようにしてあげてくださいね。

筆者プロフィール

高縄さん

高縄 奈々(たかなわ なな)
1982年、愛知県生まれ。
19歳の時に御蔵島のミナミハンドウイルカの個体識別調査に参加、水中ビデオ撮影を担当する。
その後、御蔵島でドルフィンスイムのガイドとして働きながら独学で野生イルカの水中撮影を続ける。
現在は利島に在住し、水中写真家・水中ビデオグラファーとしてテレビや書籍に水中映像の提供等をしながら、ドルフィンスイムのガイドも行う。

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