連載フォトコラム『イルカの深呼吸~水中写真家・高縄奈々が綴る、野生イルカたちの素顔~』第三回

フォトコラム

2014年3月15日
写真・文/高縄 奈々(HP)

毎月1回 野生のイルカを紹介

利島在住の水中写真家・高縄奈々さんのフォトコラムです。ドルフィンスイムガイドとして、10年以上、野生のイルカたちを見続けてきた高縄さん。そんな彼女が写し出す彼らの姿は、実に表情豊か。写真から、意外な一面を発見をすることも多いです。ここでは、選りすぐりの写真と共に、野生イルカたちの興味深い生態について紹介していきます。身近な海で暮らすイルカたちのことを、少しでも多くの方に知っていただければ幸いです。(毎月15日掲載予定)

第三回 『音で見る? イルカの特殊能力』

ミナミハンドウイルカ

前回はイルカの視界についてご紹介しましたが、実はイルカは音でも物を見ることができます

音で物を見る」とはどういうことかというと、イルカは頭の上にある鼻の穴(噴気孔)の奥のヒダを空気で振動させ超音波を作り、それをおでこの部分にある「メロン体」という脂肪でできた器官を通して前方に発射します。それがある物にぶつかって跳ね返ってきた音を聞き、物までの距離や大きさ、材質等を知ることができます。このように音を使って周囲を探ることを反響定位(エコーロケーション/Echolocation)と呼びます。

同じようなことができる動物として有名なのが、コウモリですね。コウモリも音を使うことにより、真っ暗闇でも木や壁にぶつかることなく自由自在に飛び回ることができます。

海は透明度が良く明るい時もありますが、反対に良くない時は昼間でも目が役に立たない場合もありますし、どんなにきれいな海でも夜になれば真っ暗になってしまいます。イルカはこの反響定位という能力のおかげで、目が役に立たない場合でも物にぶつかったりせず自由に泳ぎ、餌となる魚やイカを見つけて捕らえることができるのです。この反響定位の時の音は「クリックス」と呼ばれ、これを人間が水中で聞くと、ギィィィィといったドアがきしむような音に聞こえます。

今回の写真は、イルカがクリックスを使って私のカメラを調べているところ。写真ではわかりませんが、これを撮影した時私の耳にはイルカの出すクリックスの音がはっきりと聞こえていました。真っすぐこちらを向いて、目でもカメラを見ているのがお分かりでしょうか。よほど私のカメラが気になったようです。

実際にクリックスの音を聞いてみたい方は、以下の動画をご覧ください。動画が始まってすぐ、ピーピーという笛のような音に混じって、ギィィィという音が聞こえると思います。

筆者プロフィール

高縄さん

高縄 奈々(たかなわ なな)
1982年、愛知県生まれ。
19歳の時に御蔵島のミナミハンドウイルカの個体識別調査に参加、水中ビデオ撮影を担当する。
その後、御蔵島でドルフィンスイムのガイドとして働きながら独学で野生イルカの水中撮影を続ける。
現在は利島(伊豆七島の一つ)に在住し、水中写真家・水中ビデオグラファーとしてテレビや書籍に水中映像の提供等をしながら、ドルフィンスイムのガイドも行う。

特集一覧

DiveSearch ショップ・スポット・ツアー会社の検索はこちら!

ダイビングについての情報記事一覧はこちらから!

ダイブネットTwitter ダイブネットTwitter

楽天ad