連載フォトコラム『イルカの深呼吸~水中写真家・高縄奈々が綴る、野生イルカたちの素顔~』第四回

フォトコラム

2014年4月17日
写真・文/高縄 奈々(HP)

毎月1回 野生のイルカを紹介

利島(としま)在住の水中写真家・高縄奈々さんのフォトコラムです。ドルフィンスイムガイドとして、10年以上、野生のイルカたちを見続けてきた高縄さん。そんな彼女が写し出す彼らの姿は、実に表情豊か。写真から、意外な一面を発見をすることも多いです。ここでは、選りすぐりの写真と共に、野生イルカたちの興味深い生態について紹介していきます。身近な海で暮らすイルカたちのことを、少しでも多くの方に知っていただければ幸いです。(毎月15日掲載予定)

第四回 『"イルカはスキューバの泡が嫌い" は嘘』

ミナミハンドウイルカ

御蔵島や利島、小笠原などでドルフィンスイムをする時は、スキューバダイビングではなく、スノーケリングで行います。でも、その理由は……?「イルカがスキューバの泡を嫌うから」と思っている人は多いのではないでしょうか。

今回の写真をご覧ください。これは、利島でテレビ番組の撮影を行った時のものです。水中カメラマンはスキューバを使用し、たくさんの泡を吐いていますが、イルカはいつも通り近寄ってきて、泡を気にする様子もなく興味津々でカメラを覗き込んでいました。

そう、イルカは必ずしもスキューバの泡が嫌いなわけではないのです

では、なぜドルフィンスイムの時にスキューバを使わないのでしょうか。理由は大まかに2つあります。

1つは効率の問題です。せっかく海に入っても、イルカはその気が無ければほんの数秒で泳ぎ去ってしまい、何度も船へ戻ったり、また水に入ったりするのを繰り返すドルフィンスイムでは身軽なスノーケリングの方が効率が良いのです

もう1つは安全性の問題です。特に御蔵島や利島は潮流がとても速い場合が多く、水深も急激に深くなっているためスキューバでの安全確保が難しいからです

というわけで、ドルフィンスイムでスキューバを使わないのは、イルカのためというよりは、人間のためなんですね。

筆者プロフィール

高縄さん

高縄 奈々(たかなわ なな)
1982年、愛知県生まれ。
19歳の時に御蔵島のミナミハンドウイルカの個体識別調査に参加、水中ビデオ撮影を担当する。
その後、御蔵島でドルフィンスイムのガイドとして働きながら独学で野生イルカの水中撮影を続ける。
現在は利島(伊豆七島の一つ)に在住し、水中写真家・水中ビデオグラファーとしてテレビや書籍に水中映像の提供等をしながら、ドルフィンスイムのガイドも行う。

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