連載「パラサイトラヴァーズ」~めくるめく寄生虫の世界~Vol.10

連載「パラサイトラヴァーズ」~めくるめく寄生虫の世界~

2014年03月31日

写真・文/会田幸宏(facebook)

不思議な寄生虫の世界を紹介

寄生虫=ある生物が他の生物の体から栄養などを持続的、かつ一方的に搾取する生物。と言われています。
皆さんもダイビングの最中に寄生虫のついた生物を見たことがあるのではないでしょうか?
ちょっと気持ち悪い、と思われる方もいるかも知れませんが、寄生虫は宿主がいないと生きていけない生物。想像以上に寂しがり屋なんです。
宿主を殺すことなく暮らす姿に、もしかしたら生きるヒントが隠されているかも!と思い、寄生虫を愛して止まないサークル「パラサイトラヴァーズ」の皆様に全12回に渡って様々な寄生虫を紹介してもらいます

メダマイカリムシのライフサイクルを考える

こんにちは、めくるめく寄生虫の世界の第10回目は再び会田が担当させていただきます。
前回の記事ではメダマイカリムシの卵が孵化しそうな写真を紹介しました。
その写真を撮りながら生じた素朴な疑問…

・この卵が孵化したらどうなるの?
・どういう姿でハゼに寄生するの?
・卵ぐるんぐるんなメダマイカリムシにはどうやってなるの?
そんな疑問についていろいろと調べてみました。
メダマイカリムシは寄生性カイアシ類に属するらしいですが、それらの一生(ライフサイクル)は次のようになっているそうです。
卵から孵化した状態をノープリウス幼生と呼ぶそうです。
ノープリウス幼生は水中で脱皮を繰り返してコペポディド幼体に変態するそうです。
そしてこの幼体は宿主に取り付いて、つまりターゲットのイチモンジハゼの表面で寄生生活を始めるそうです。
寄生生活の中でまたまた脱皮を行って成体となり、オスとメスは交尾をするそうです。
そしてその後数日でオスは死んでしまうようです…。悲しいかなオスの一生…。
ここまでの大きさはおそらく肉眼では確認できないぐらいの小さいものだと思われます。
残ったメスは体を変形伸張してイチモンジハゼの頭の部分に体前部を突き刺し、本気モードで養分を吸いながら体の半分を外に露出したまま寄生生活を送ることになります。
本気モードといっても宿主にとっては蚊に刺されているようなものなんでしょうかね。
そしてあのぐるんぐるんな卵を産むようです。
つまり、水中でダイバーが目にできるメダマイカリムシは全てメスという事ですね。

水中で目にするメダマイカリムシをよく見てみると、卵や体の色にも変化が見られる事がわかります。
まだ卵も生まれたて?でつるんつるんな状態だと、メダマイカリムシの体の色も透明感がある色をしていました。

メダマイカリムシ

卵が成長して、目のような点々が見え始めた時のメダマイカリムシの体の色は何か詰まったような感じになっていました。

メダマイカリムシ

卵が孵化寸前の状態になると、メダマイカリムシの体もパンパンに膨れ上がっているように見えました。

メダマイカリムシ

そして卵が孵化すると、また水中にノープリウス幼生として漂い、コペポディド幼生に成長して宿主を探し、成体になって交尾して産卵して…というサイクルが繰り返されるということです。
どうやって宿主を捜すのか、さらにどうやって宿主の上でオスとメスが出会うのか?
まだまだいろいろな疑問が尽きないメダマイカリムシです。
そんな事を考えながらメダマイカリムシを観察してみると楽しいですよ?(笑)

筆者プロフィール

会田幸宏さん

会田幸宏
主に東伊豆・八幡野で潜っています。
コンデジにクローズアップレンズを1~4枚重ねてコンデジの限界に挑戦しつつマクロ生物~激マクロ生物を撮っています。
facebookやってます。
https://www.facebook.com/yukihiro.aida

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