連載「パラサイトラヴァーズ」 ~めくるめく寄生虫の世界~Vol.6

パラサイトラヴァーズタイトル

2013年11月29日

写真・文/澤田仁(facebook)

不思議な寄生虫の世界を紹介

寄生虫=ある生物が他の生物の体から栄養などを持続的、かつ一方的に搾取する生物。と言われています。
皆さんもダイビングの最中に寄生虫のついた生物を見たことがあるのではないでしょうか?
ちょっと気持ち悪い、と思われる方もいるかも知れませんが、寄生虫は宿主がいないと生きていけない生物。想像以上に寂しがり屋なんです。
宿主を殺すことなく暮らす姿に、もしかしたら生きるヒントが隠されているかも!と思い、寄生虫を愛して止まないサークル「パラサイトラヴァーズ」の皆様に全12回に渡って様々な寄生虫を紹介してもらいます

イルカのアクセサリー『エボシフジツボ』

はじめまして。澤田仁と申します。今回は私が不思議な寄生虫の魅力を紹介します。
私は普段は西伊豆の大瀬崎で潜ることが多いのですが、年に1~2回、御蔵島でイルカを撮影します。
今年の夏の御蔵島でのこと。尾ビレや胸ビレにひらひらとしたスダレのようなものをぶら下げているイルカを見かけました。
ピアス?フリンジファッション?ウェスタン風?おしゃれなイルカだなと思い、とりあえず写真を撮っておきました。

エボシフジツボ

後日、これが「エボシフジツボ」という生物だということを知りました。
フジツボといえば、普通は富士山のような壺状の生物ですよね。なんて変わった形のフジツボでしょうか!
この名前はもちろん「烏帽子」のような外見からの命名ですが、エボシフジツボの学名「Xenobalanus globicipitis」は、「クジラに着く変なフジツボ」という意味だそうです。
また、鯨類に着生するフジツボ類は寄生ではなく片利共生(宿主に害を与えない共生)だとも言われていますが、寄生と片利共生の境界はあいまいのようです。

しかし、わざわざ激しく動くイルカのヒレに寄生するなんて、物好きな生物ですね。
どうやって着生するのか不思議ですが、常に動いているイルカのヒレにくっついていたら他の生物に食べられる心配はなく、身を守るのには好都合です。
フジツボ類は硬い殻で敵から身を守りますが、その必要がなくなったエボシフジツボは殻の一部が退化しています。

エボシフジツボ

あなたもイルカと泳ぐ機会があれば、ぜひこの不思議なイルカのアクセサリーを探してみてはいかがですか。
それから、海の中で変わった生物を見かけたら、とりあえず写真を撮っておくことをオススメします。
その写真から、不思議な寄生虫の世界に触れることができるかもしれませんよ。

筆者プロフィール

澤田仁さん

澤田仁
1997年からダイビングを始め、世界中のリゾートの海を潜る。
2009年頃から西伊豆・大瀬崎を中心に撮影活動中。
御蔵島のミナミハンドウイルカの写真で、Nature's Best Photography Japan 2012水中写真部門優秀賞受賞。
澤田仁Facebook
【Jin Sawada 水中写真美術館】

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