荒俣宏氏の「海あそび塾」春のトークイベント~ダイジェスト版~その1

ダイブネットニュース

2016年4月13日

初の女性スピーカーを迎え、大盛況のもと終了!

2016月3月26日(土)、中野マンガアートコートにて、荒俣宏氏の「海あそび塾」春のトークイベントが開催されました。
今回のテーマは『海あそび大探究 DEEP & WIDE 編』。新たに女性スピーカー2人が加わり、大いに盛り上がりました。当日の様子をご紹介します。

 

出演者のみなさん

出演者のみなさん。左から、さとう俊さん、重城のり子さん、荒俣宏さん、藤原ゆりさん、鈴木香里武さん

 

1, さとう俊さん 「目玉の新冒険 360度編」

さとうさん

360度写せる新カメラで撮影に挑んださとう氏

 

「ぼっちゃん1号」の開発以来、つぎつぎに斬新な水中撮影の開発に邁進してきた副塾長・さとう氏。今回新たに360℃撮影可能な新機材を携え、ダイバーに知られた秘境・フィリピン「マリゴンドン洞窟」で撮影に挑みました。

 

ヒカリキンメ

水深35m近くのドロップオフの洞窟で、ヒカリキンメの発光に迫る

 

会場では、ヒカリキンメが発光する様子を捉えた動画が上映されました。

 

また、洞窟以外の場所での撮影にもトライしました。

 

カメラに近づくダイバー

海底にカメラを設置後、その位置をダイバーさんが把握し始め、近づいてきてくれているところ。かなり近づかないとアップでは撮れない

 

タイドプールも撮影してみたが……。
水中にやや斜め上向きで固定→ルリスズメがたくさんいたが、いまいち面白い画が撮れなかった。小さい魚を撮るにはあまり向いていないようです。
自撮り棒に付けて撮る→Goproで撮るのと変わらない。人間の目で直接覗いた方が楽しいかもしれません。

 

「このKodakのアクションカメラですが、人や大きな魚を撮るのには向いています。深場は光が届かないので、照明が必要になってきますが。イソギンチャクの中などに置いたら楽しいかもしれませんね。難点は、カメラの前面がドーム状になっているので、割れやすいこと。カバー必要でしょう。ハウジングをつければ水深30mまで行けるので便利ですよ。あとはパノラマの映像が撮れたりもするので、海あそびにはいろいろ使えると思います」

 

360℃撮影可能なカメラ

Kodakのアクションカメラを披露。価格も手ごろなので、興味のある方は要チェック!

 

たくさんの観客

話に聞き入るたくさんの参加者の方々

 

 

2, アラマタ・ヒロシさん 「知らずに死ねる怪(かい)!」

荒俣宏さん

食をテーマに語る荒俣塾長

 

塾長・荒俣氏は、フィリピン・セブ島でウニうどんを食べながら気がついた、 というウニにまつわる話から、あのかわいいダンゴウオを食す話まで、魚がおいしい季節にピッタリな”食”をテーマとしたお話をされました。
いろいろ食べ始めると、その奥にある自然の世界を実感できるのだとか。

 

①旬のないウニ

セブ島に行ったときのこと・・・
ダイビングサービスにて、何か上手いものを、、、とお願いしたところ、いいのがあるよ!と出てきたのが、”ガンガゼ” だった!
南の島では、ガンガゼがごちそうなのだとか。そう、ダイバーに嫌われているあのトゲの長ーいウニです。

 

ガンガゼ

トゲに毒のあるガンガゼは、実は美味しい!

 

「日本では、ウニには旬があり、およそ1シーズンですが、セブではなんと旬がありません。なぜか?常に水温が一定だからです。ウニが美味しいのは(ウニの旬は)、産卵前とされますが、その産卵は水温変化がきっかけとなるため、いつも水温が変わらないセブでは、産卵のきっかけが明確でなく、逆を言えば、常に産卵のチャンスがあるのです。
およそひと月ごとに、月のサイクルは一周しますが(満月と新月を経て月が地球の周りを一回りする)、セブの海では、月が一回りしたときにウニが食べ頃になる。つまりは、月に一度は旬が来ることになります」

「ところで、ガンガゼのトゲには毒があるけど、危険じゃないの?とお思いになった方、心配ご無用です。セブでは、採ったガンガゼを網の中に入れ、水の中でジャカジャカすると丸い栗のようになるのです。味は濃厚で、ムラサキウニとバフンウニの間くらいで大変美味しいです」

「シーズン、旬、南と北の関係がわかってくると、海のものをいろいろ食べたくなってきますね。」

 

ウニ

バフンウニとキタムラサキウニ

 

②ダンゴウオを食す

まずは、塾長が育てているダンゴウオの赤ちゃんの動画を上映。尾びれをふりふりしながら、餌を食べる様子に参加者一同癒されました。

 

ダンゴウオの赤ちゃん

頭に "天使の輪" があるダンゴウオの赤ちゃん

 

「ダンゴウオは、真っ赤なイクラのような卵を産みます。メスが産卵しても、オスは卵を守るための体の大きさに合った穴がないと、受精しないので、オスをその気にさせるのがなかなか難しいところです」

 

ちょっと話題が変わり、ダンゴウオ科のコンペイトウとコブフウセンウオ、ナメフウセンウオの3種について、これまで別種とされてきたが、実は同種だったことが2015年にわかったことについての説明がありました。

 

ヨーロッパ人と日本人は、昔からダンゴウオを食べていた!?

ランプサッカー(ヨコヅナダンゴウオ)の卵は、「ランプサッカーキャビア」と呼ばれ、多くの人に食されてきました。

 

ランプサッカーキャビア

右上の赤いのがランプサッカーキャビア

 

北海道では、ゴッコ汁(ホテイウオ)を食べますが、2月が旬で大変美味しいです。

 

最後に、荒俣塾長が育てているダンゴウオの赤ちゃんを、参加者全員で観察しました。

 

ダンゴウオの赤ちゃん

よ~く見ないとわからないくらい小さいダンゴウオの赤ちゃん

 

 

3, 鈴木香里武さん 「水槽の中での死に様を見届けよ」

かりぶさん

今回の話が魚を飼育する方の何かお役に立てたら……と話す香里武さん

 

海水魚飼育歴24年の岸壁採集家・鈴木香里武さんの発表テーマは、「水槽の中での死に様を見届けよ」。長年魚を飼っていて、目の当たりにした様々なカタチの死を紹介しました。

 

以下、”死に様12ケース”をどど~んと紹介。

 

死闘…採ってきた魚を水槽に入れると、以前からいた魚がいじめる。ケンカに終わらず、殺し合いになり死亡する。

 

飛び出し…海では絶対に起こらないことだが……ケンカや水質悪化が原因で魚が飛び出すことがある。以前地震を予知して?飛び出したネコザメもいた。

 

病気…海から水槽へと環境を変えることで、大きなストレスがかかる。結果、免疫力が落ちて白点病にかかる(一度かかると完治が難しい)。これまで白点病に効果的だと思ったのが、意外にも ”海ブドウ”だった。あのツブツブの中に毒素ため込むのか、水質が安定した。

 

空気…魚が空気を吸い込んでしまうと、浮き袋が膨らみ、がんばって沈もうとする→体力が弱る→病気にかかる→死ぬ。空気を吸わないように細心の注意が必要。

 

機材に詰まる…水槽内の吸水パイプに魚が詰まることがある。以前、ハナハゼがつまった。結果、水の循環が止まり、他の魚も死んだ。

 

パイプに詰まって死ぬ魚

機材に詰まって死んだケースを紹介。飼育するときには注意が必要

 

のどに詰まる…自分と同じ大きさの魚を食べてしまい窒息死する。以前、ハナオコゼ(10cm程)がダイナンギンポ(20cm)を食べた。結果、消化不良で死亡→油が浮いて他の魚も死んだ。

 

同居人の恐怖…小さなソウシハギ(20cm)をワタリガニがはさみでつかんでいた→ソウシハギは体力消耗して死ぬ。

 

結界…ガラスに激突し死ぬパターン。長年飼っていると魚が空間把握するので、ガラスを避けて上手く泳ぐようになる。ある日キュウセンが、ものすごい勢いで突進して、そのまま死んだ。

 

以心伝心…飼っていた魚が大きくなり、海に戻そうとし「海に逃がしにいこう」と言うと、翌朝その魚が死んでしまう。立て続けにそういうことが起こった。魚にもうここにはいられないという雰囲気が伝わってしまうのかと思い、「逃がす」ではなく「お引っ越し」というようになったら、死ななくなった。

 

肌触り…シッタカ(バテイラ)の場合。ガラスだとくっ付くのに、アクリルだとくっ付けないで死ぬ。一度ひっくり返ると自力で起きられなく腐ってしまう。

 

シッタカ

食べると美味しいシッタカの意外な一面を紹介

 

正当防衛…コクテンハギの身に不幸が……。お掃除役のアサリに、口先を挟まれて息絶えていた。

 

消滅…60cm水槽でソラスズメダイやソウシハギなどを飼っていたところ、一夜にして全匹消えてしまった…。水槽には、骨も肉も、何も残っていなかった。

 

消滅

こんなことがあるのか…いまだ原因不明

 

これらの”死”を通して、言いたいことは・・・
「海は偉大!水槽で起こっているほとんどの事象は、海では起こりません。水槽という閉ざされた世界とは違い、海は絶妙なバランスで成り立っているのです」

 

次項は「重城のり子さん、藤原ゆりさんの発表と、懇親会の様子」です

 

特集一覧

DiveSearch ショップ・スポット・ツアー会社の検索はこちら!

ダイビングについての情報記事一覧はこちらから!

ダイブネットTwitter ダイブネットTwitter

楽天ad