
久米島は、沖縄本島の西、約100kmにある周囲約48kmの島。
琉球王国時代には中国の福州とを結ぶ交易ルート上にあり、交易船が必ず立ち寄る交通の要衝として栄えた歴史のある島だ。
現在の久米島は、沖縄本来の素朴な雰囲気と、観光リゾートの華やかさの2つの顔を持っている。
島には美しい自然が溢れていて、リーフ上に真っ白い砂浜が延々7kmも続いている「はての浜」や、直径2mもある平らな石がカメの甲羅のように並んだ「畳石」など、テレビCMやポスター、絵はがきなどで一度は見たことがあるような有名な場所がいくつもある。
ほかにも、具志川城跡を初めとしたグスク、断崖絶壁の向こうに紺碧の東シナ海が見渡せる絶景の地・比屋定バンタ、女性の象徴として拝めば子宝に恵まれるという伝説もあるミフ-ガーと呼ばれる巨大な岩のアーチなど、見所がたくさんある。
海だけではもったいないほど楽しみが満載の島なのだ。
久米島でのダイビングは基本的にボートダイビングになる。
ダイビングポイントは島の周囲に点在しているが、特に「はての浜」の周辺はポイントが集中している。
はての浜を境に南北で海の様相も異なっていて、南側は比較的浅場でサンゴ礁の美しい穏やかなポイント、北側はドロップオフや激しい起伏の地形が続くダイナミックなポイントが多い。
また、島の南側にある「トンバラ岩」は潮流の影響を受けて回遊魚の遭遇率も高く、久米島のダイビングポイントでも1~2を争う人気ポイントになっている。
多種多様なポイントが揃っているから、そこで見られる生物もマクロから大物まで非常に豊富だ。
久米島の海には、初心者から上級者まで、また、ウォッチング&マクロ派、地形派、浮遊感派など、すべてダイバーのリクエストに応えられる懐の深さがある。

本土からは飛行機便を利用する。
東京から1日1往復の直行便があるが、それ以外は那覇空港で乗り換えて久米島空港へ。
那覇空港からは1日に4~5便あり、所用時間は約35分。
船の場合は那覇泊港から久米島・真泊港に高速船が毎日1~2便運行している。
所要時間は 1時間45分。また兼城港へはフェリー1便が運航し、約4時間。
久米島は春でも水温は23~24℃ほどあって温かい。
この時期は沖縄ならではのコブシメの産卵が各所で観察できる。
オス同士の争いや交接、 産卵などを目の前で見ることができる。
初夏から梅雨明けの頃になれば気温・水温とも上昇して、海の中はいろいろな種類の魚が溢れ返り、とても賑やかになる。
サンゴの根の上に群れるスカシテンジクダイやカラフルな魚たちに目を奪われるだろう。
南風が吹く夏場は島の北側のポイントを主に潜る。
水温は27~30℃。 回遊魚が活発に姿を見せるようになり、ギンガメアジの大群、イソマグロなどに遭遇する機会も多い。
大物は秋まで楽しむことができ、 トンバラではジンベイサメが目撃されたこともある。
透明度も上がっていくので、豪快な地形も愉しめるだろう。
11月に入ると風が北風に変わるので、 島の南側のポイントを主に潜るようになる。
水温は20℃~21℃に下がるが、マンタ、ハンマーヘッド、ザトウクジラといった大物が久米島近海に現れるから気が抜けない。
特に、ザトウクジラは水中で一般のファンダイバーが一緒に泳げる数少ない場所である。
また、マクロ好きには種類、個体数とも増えてくるウミウシ探しが楽しい。
季節によって潜れるポイント、見られる生物が変わるので、事前の情報収集をしっかりとしておきたい。
はての浜の北にあるポイント。
水深5mから35mまで落ちる豪快なドロップオフを、壁沿いに潜っていく。
中層をのんびりと漂いながら空中遊泳しているかのような気分を味わおう。
上級者なら深場に降りて、スミレナガハナダイ、シコンハタタテハゼ、ニチリンダテハゼなどのマクロ生物を堪能できるはず。
対象:初級者~
最大水深:35m
移動手段:ボート
「シチュー(イスズミの)ガマ(穴)」という名前の通り、L字形に曲がった2本の洞窟がある。
洞窟内には太陽の光が降り注ぎ、幻想的な雰囲気を味わえるだろう。
棚の上の浅場ではモンツキカエルウオや甲殻類などが見られ、ドロップオフではハナゴンベやヨコシマニセモチノウオが見られる贅沢さだ。
対象:初級者~
最大水深:30m
移動手段:ボート
豪快なドロップオフに群れる無数のカスミチョウチョウウオが圧巻のポイント。
潮の当たるドロップ際は特に魚影が濃く、アカネハナゴイやキンギョハナダイ、クマザサハナムロなどが舞い、とても華やかな雰囲気に満ちている。
かと思えば、時にはイソマグロなどの大型回遊魚が潮に乗って通ることもある。
対象:初級者~
最大水深:28m
移動手段:ボート
島の北東にあるポイントで、潮通しがよいので大物が狙える。
6~7月にはイソマグロが多く、目の前に次から次へと姿を見せることもある。
夏場にはギンガメアジやツムブリ、ホソカマスの群れも多い。
大物以外でも、キンチャクガニやイザリウオの仲間、ミヤケテグリなどのマクロ系もたっぷり見られる。
対象:初級者~
最大水深:23m
移動手段:ボート
落差15mほどの切れ落ちた壁、真っ白な砂地から立ち上がる巨大なビルのような岩…迫力のある海中景観が楽しめるポイント。
中層をドリフトすれば、気分は宇宙飛行士だ。
この地形の上を、夏場はホソカマスの群れなどが覆い尽くすからすごい。
壁のウミウチワを探せばピグミーシーホースも見つかるかも。
対象:初級者~
最大水深:25m
移動手段:ボート
島の西端にある灯台の下を潜る。
潮通しがとてもよく、ロウニンアジやギンガメアジなどの大物が見られるポイントだ。
しかも、時にはマダラトビエイやハンマーヘッドが現れるからすごい。
沖合いにある竪穴は通り抜けが可能。
出口の先に群れるクマザサハナムロやテングハギモドキなども見応えがある。
対象:初級者~
最大水深:25m
移動手段:ボート
水深25mから50mまで落ち込むドロップオフを降りると、水深30m過ぎに洞窟が姿を現す。
入り口は3つあり、中に入って中ほどから振り返ると、3つの入り口から差し込む光が幻想的な光景をつくり出している。
水深が深いので注意が必要だが、一見の価値はある。魚ではハナダイ類が要チェックだ。
対象:中級者~
最大水深:30m
移動手段:ボート
サンゴ群生の美しいリーフに、無数のクレバスが走っている。
クレバスは水深7mのリーフにから20mまで落ちている。
クレバスの中に入って中層を泳げば、両側から迫る壁や底に輝く真っ白な砂地が産み出す、独特の雰囲気が楽しめるだろう。
ハゼなどのマクロ系生物も多いので、ウォッチングも楽しめる。
対象:初級者~
最大水深:20m
移動手段:ボート
島の南側にある「親子岩」のポイント。
海底には多数の洞窟が口を開け、1人がやっと通れるものから4~5人は入れるものまで、大きさもさまざま。
穴の壁面にはキサンゴが群生しているので、ハゼや甲殻類などのマクロ生物を探しても楽しい。
水中ライトを忘れないように。冬場はマンタがよく現れる。
対象:初級者~
最大水深:15m
移動手段:ボート
水面に顔を出した巨大な岩の根「トンバラ岩」を、ドリフトで潜る。
潮通しがとてもよく、夏はギンガメアジやホソカマスが群れ、ロウニンアジ、イソマグロ、バラクーダまでも姿を見せる。
ハナダイやハゼ、ベラなどのマクロ系生物も多いから、気が抜けない。
冬場にはハンマーヘッドが現れることもある。
対象:中級者~
最大水深:30m
移動手段:ボート
はての浜の南側にあり、リーフで内海のような環境になっている。
真っ白な砂の海底にサンゴの根が点在し、根にはキンメモドキやスカシテンジクダイが無数に群れている。
開放感溢れる雰囲気でリラックスできるが、ハダカハオコゼやギンポなども見られるので、フォト派やウォッチング派にもお薦めだ。
対象:初級者~
最大水深:20m
移動手段:ボート
はての浜のリーフでできた内海のポイント。
ムーチーグーとは「6つの根」を意味する沖縄の方言。
名前の由来でもある6つの根を巡り、ウォッチングを楽しもう。
根にはデバスズメダイやフタイロハナゴイ、ケラマハナダイなどの魚が数多く群れている。
水深が浅いので、初級者や体験ダイバーも楽しめる。
対象:初級者~
最大水深:10m
移動手段:ボート